住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「半人半鳥 カラヴィンカ(迦陵頻伽)の話」(後編)

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心の中でカラヴィンカは、つぶやきました。
(カラヴィンカ)「あぁっ、声がでない、声が出ない・・。
 もう、私は一生唄えないのかしら・・。・・ああっ、私はこれから何を生きがいにして生きていけば良いの⁉」と。
 その心の声を聞いた仏様が、極楽浄土から降りて来られました。
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 仏様は、カラヴィンカに向かって言われました。
(仏様)「カラヴィンカよ、お前は本当に良くやってくれた。
 私の仕事を代わりをやってくれたんだよ。
 たくさんの動物たちの心を救ってくれた!
 お前の歌声は、仏の声そのものであった。
 ・・さぁ、極楽浄土に参ろう。
 お浄土で、きっとお前の声はよみがえるであろう。
 それまで、リハビリのつもりで、この笛を吹いてなさい。
 さぁ、カラヴィンカよ、こんどは極楽で、お前の歌を披露しておくれ。」と。
 カラヴィンカは、それを聞き、目を涙をいったい浮かべて深く頷きました。
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 そして、カラヴィンカは、仏さまと一緒に[極楽浄土]へと向かいました。
 言うに及ばす、カラヴィンカの声は、極楽の国で見事に蘇りました。
 そして、さらに美しい声に磨きをかけて、今も極楽一の歌声を披露しながら、優雅に飛び回っています。
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 この伝説の鳥[カラヴィンカ]は、やがて『迦陵頻伽(かりょうびんが)』という名で、日本の雅楽の演目の一つとなりました。
 そして、仏教行事の舞楽として、今も子供たちがカラヴィンカに似せた装束をつけながら、優雅な舞いを披露しています。
 おしまい

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