柚子(ゆず)は細かく木の小刀で切る。
それを土鍋に入れて、お酒を一合近く入れて、グタグタになるまで煮る。(完全に酒は煮詰めて飛ばしてしまう。余談ですが、北斎は一滴も酒が飲めなかったそうだ。)
煮詰めた柚子に、白湯を混ぜる。
完成!完成までに50分程掛かった。部屋の中は酒と柚子が混ざった変な匂い。この薬もどき?を北斎は一日二度に分けて飲んだらしい。‥このまめな調合が北斎のリハビリにもなったのだろう。知らんけど(笑)
僕もこのドロドロの柚子を飲んでみた。お酒の味はしない。味は苦い。決して飲みにくいものではないが、かと言って美味しいものではない。これを毎日飲むのは僕には無理だ。しかも、秋以降しか柚子はない。僕もスーパーに出るまで探し回った。ようやく無農薬の柚子を見つけた時は嬉しかったが、木の小刀で細かく切るのは難しかった。
さて、北斎はこのギトギトな柚子薬?を毎日作り、かつ飲み、脳卒中を克服し数々の名作を描かれ歴史に名を残された。(どうやら現代医学では柚子のポリフェノールのような栄養素が効いたのではないかと言われている。‥が、僕にはよくわからない。)
が、北斎の脳卒中の後遺症を治そうとする、創作意力努力が並の人ではなかったのだと改めて思う。
僕も北斎には遥かに及ばないが、脳卒中の後遺症を乗り越えて、紙芝居をこれからも作って行きたいと思う。‥後、ギトギトになった土鍋をきちんと洗って返さないと妻にギトギト?と叱られる。それが怖い。(笑)
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北斎の脳卒中と薬の話(後編)
北斎の脳卒中と薬の話(前編)
(北斎と娘.お栄)
今注目の人、新千円札の裏に刷られて『ビッグウェーブ』の作者浮世絵師『葛飾北斎』。
でもこの絵は、北斎が脳卒中を起こしてから描かれた絵である事を知る人は少ない。
北斎は、絵描きの致命傷というべき腕が効かなくなる脳卒中の病気を乗り越え、あの絵を描かれたのだ!
(『葛飾北斎伝』より)
では、どうして医学も進んでいない江戸期に、卒中を直したのか?
それは、今でも伝説となっている『北斎の卒中の薬』のおかげと言われているのだ。
(完成間近の「葛飾北斎と脳卒中の話」)
その誰にでも作る事が出来るという、この薬を紙芝居にした物語は、もう少し後日に発表するとして、まず、その薬もどきを調合した実験結果を2回に分けて発表する。‥ただしそんな大層な物では無い。簡単なのだ。
(脳卒中の薬材料)
そもそも北斎自身、誰にこんな漢方薬のような物を誰に教えてもらったのかは、はっきりとわかっていない。(一説によれば、滝沢馬琴と言われているがわからない?)
さて、くすりの材料だが『柚子』と『日本酒』と『土鍋』と『木の小刀』、後、少々の白湯。これだけ‥だ。ほんま簡単!
さあ、作ってみよう!
まず、『キューピー3分間クッキング』の音楽を頭の中で鳴らす。‥もちろん、それは僕だけだが‥(笑)。
まず一個の柚子を木の小刀で細かく切る。(これが硬くて難し!) 北斎曰く、鉄製の包丁はダメなのだそうだ。‥鉄分が付着するからか?僕にはサッパリわからない。が、北斎の言う通りにやる。(僕は小刀を百均ショップで、土鍋を妻から借りて使った。) つづく
現在、企画&制作中の紙芝居
今日は現在、企画&制作中の紙芝居を発表します。
226作目は『悲しき英雄ヤマトタケル』。
この作品は、ヤマトタケルの古墳のある羽曳野市に、最近仕事でよく行く機会があって、一度作ってみようと思い制作を開始しました。
日本最初の英雄でありながら、実の父親との折り合いが悪く悲劇的な最後をとげたヤマトタケルの一生を紙芝居で今、制作中。これはもうすぐ完成します。
そして、227作からその後の企画作品は
‥いつも何故、山の頂上に天皇の皇子のお墓があるのだろうか?と、お山に登るたびに思っていた作品で、題名は『大津皇子と二上山』という作品名にしようと思ってます。これも今制作開始をしています。
さらに続いて、これだけは作っておこうと思っていた『葛飾北斎と脳卒中』という作品や、
そして、これも絶対の作っておこう思っていた『アショーカ王物語』などが今企画中です。
まだ、元気でおらねば‥と思っています。
河南町介護者家族会ニュースレターに載りました
河南町介護者家族会のニュースレター『さくらんぼ』に、今年の新年会の模様が載りました。
僕は会長さんに「コロナを吹き飛ばすような楽しいお話をお願いします」と頼まれたので、『干支のお話』を中心に明るい紙芝居を二本させていただきました。
悲しい話の中にも、クスッと一瞬笑えるエピソードはある・・
悲劇の中にも、クスッと笑える喜劇的要素は探せばあり、又その逆もあると思う。
人間は悲しみに耐えられないから、喜劇を作ったのではないだろうか?
たかが、12枚程の紙芝居の世界でも、その要素は入れようとすれば、入れることはできる。・・いや、人間ドラマなのだから、入れるべきではないだろうか。・・と、思いながら少し感動できる話を今年も作ります。
次回作は「新・身代わり泣き不動さま」です。この作品はもう完成してます。近々アップします。その次は「泳げ!夢応の鯉魚」です。
どちらも、悲喜劇です。お楽しみに!
楠木正儀(まさのり)の故郷を訪ねて~金剛山と正儀公の墓
ヘッドハンティング正儀(まさのり)
今年の正月休みに息子夫婦が遊びに来た。
その時にサラリーマンをしている息子が、僕に話してくれた話。以下、息子の話。
「サラリーマンの世界は転職っていうか、他社からのヘッドハンティングが多いんやで。僕の友達も会社に不満を持っていて、技術を持ってるそいつはヘッドハンティングされて辞めていった。・・が、転職先の大会社の中も、同僚の足の引っ張り合いばかりで仕事が捗らず、不満は溜まり結局同じやったそうや。
・・で、そんな噂を聞いた僕(息子)は、そいつを又説得して、元の会社に戻ってもうたんや。」
「それから、その友達は元の会社で上手くやってんのか?」と僕は聞くと、「技術を持ってるから給料も元のままや・・。本人は割り切って働いてる。上司も何もいわん。・・けど、出世は出来んやろなぁ。」と息子は言った。
その話を聞いた時、僕は「それって、南北朝時代の楠木正儀(まさのり)と一緒やん。」と思って、楠木正儀の紙芝居を作ろうと思ったのだ。
長くなったが、この転職の話は、楠木正儀そのものである。
細かくは省くが、南朝側の正儀は若きリーダーながら味方に不満を持っていた。その時、北朝からヘッドハンティングの話が来た。正儀はその話に乗り味方を裏切った。
が、北朝も同じで足の引っ張り合いだったので、又、見切りをつけて、南朝に戻る事にした。さて正儀の、運命やいかに!?
この昔話は、現代社会の話だ。今、楠木正儀の紙芝居を描いていて、本当にそう思う。
紙芝居『楠木正行・正儀公』の取材
(富田林市『観音寺』)
紙芝居『楠木正成(まさしげ)親子(三部作)』を完成させる為に、近畿圏の取材にあちこち行っている。
まず、正行(まさつら)・正儀(まさのり)公の御母堂さまと言ったら[久子(ひさこ)]さまで、夫正成公が戦死されてから出家され、棲されたお寺が富田林市の『観音寺』内に綺麗に復元されている。そして、お墓もあるのでお参りさせて頂いた。
(久子夫人のお墓)
そして、その近くにある三男正儀(まさのり)公が立て籠もって戦った[嶽山城跡]。今は簡保の宿のテニスコート場の奥にひっそりあって探しました。
又、諸説はあるが金剛山の途中の正儀公のお墓も何度も行って来た。
(四條畷市『四條畷神社』)
又、長男正行(まさつら)公の戦死された場所でこちらで祀られている四条畷神社付近。首塚も近くにある。
(境内に楠木母堂と子の銅像がある)
こちらも諸説があって、四条畷市では無くて、東大阪市の『四條の縄手』という所で激戦の上、戦死されたのだとも云われてもいる。
こちらの近くには[往生院六万寺]という御寺があり、そちらに正行公の胴墓がある。(首塚も又近くの別の場所にある。)
山の上の景色の良い立派なお寺であった。大阪市内の絶景がこちらから見える。(撮影は禁止という事なのでお寺の写真は載せられない。)
まだ取材が足りてはいないが、ここらへんで見切り発車して紙芝居を完成させてアップしようと思う。
コロナ・セブン(日本編)
(188作『蓮如上人からのお手紙〜伝染病について』)
応仁の乱の頃の日本のお話。今も昔も変わりません。『疫癘のご文章』を紙芝居にしたものです。お上人も心を痛めておられました。
(197作『鬼となった元三大師』)
今も玄関先で見かける鬼のような疫病退散の元三(がんざん)大師のお札。これってお坊さんがモデルだったんですね。
(200作『決め手はワクチン!めっちゃ医師・笠原良策』
記念すべき200作目の作品。まさか、コロナ禍に、ちなんだ作品になろうとは思いませんでした。
いよいよ、コロナ禍にワクチン接種の予約が始まった事を記念して作りました。
コロナ禍が早く終わりますように!
コロナ禍の早い収束を願います。
終わり
コロナ・セブン(外国編)
コロナ禍が起こった為、制作予定に入っていなかった紙芝居を、二回に分けて(外国編・日本編の)七本、改めて発表する。
題して「コロナ・セブン」。
(183作『1665年ロンドン伝染病の記録』)
これは、デフォーの「ペスト」を元に作った作品。まだ、コロナ禍が始まったばかりの頃の作品であった。
(185作『チフスのメアリー』)
これも「無症状感染者」という言葉を初めて聞いて、作ろうと思った作品。
(186作『ハスラー博士の叫び「マスクを付けて命を守れ!」)
今も続くマスク装着生活。これを作った時、こんなにまで続くと思わなかった。
(187作「悲劇のゼンメルワイス医師「それでも手を洗え!』)
今では当たり前となった手指消毒液。この人のおかげなんですよねー。
つづく
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