
そして時々、晴明(せいめい)は寂しくなると、京の都から[信太の森]に来て、こっそり母に会い、語り合ったという事だ。‥知らんけど。
こちらは現在、大阪府和泉市、葛の葉町の信太森『葛葉稲荷神社』になっている。
(※余談ながら、私は↑の絵一枚を描きたい為に、この長い紙芝居を作ったのです。無事に描けて良かった。)
それから、(大阪は)お話に出てきた[安倍保名]邸宅跡は、現在「安倍晴明神社」になっている。でも[保名]自体、架空の人物くさい‥。これも知らんけど。昔話だ。‥そんなのどっちでも良い。
又、その神社近くの巨大な商業施設『あべのハルカス』という名前は、[安倍晴明]の名前から取ったという説がある‥。これは『阿倍野(あべの)の町を、晴れ明かす(見晴らす)』という意味らしい。‥これも知らんけど、だ。(笑)
でも、この[名前説]を極楽浄土の世界からきっと、葛の葉もこれを喜び、安倍晴明も照れてるに違いない。 おしまい
(和泉市・信太の森ふるさと館)
*学芸員の皆様、お世話になりました。合掌
(ふるさと館庭内 葛の葉親子オブジェ)
*歌手の[イルカ]さんの絵を元に作られたらしい。‥イルカさん、このお話のファンやったんや。
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紙芝居『葛の葉の白狐』(その7 最終回)
紙芝居『葛の葉の白狐』(その6)

「お〜い、葛の葉ー、出て来ておくれー!私達はお前が狐でも構わないんだよ〜。どうか、帰って来ておくれー。」と言うと、お社の横からスッと白狐が現れた。
そして、「‥それはできません。正体がわかれば、もう人間世界には帰れないのです。‥保名さま、ああっ、私はずっとあなたと居たかった。そして童子丸や、あなたは私が産んだ子だけど、間違えなく人間の子です。‥これから人として生き抜いて下さい。‥が、あなたには不思議な血が流れています。きっと普通の人とは違う特別な力を発揮するでしょう。スーパーマンみたいに‥。その力を使って、魔物や邪悪な鬼を退治して世のため、人の為に働いて下さい。
又、どうしても私に会いたくなったら、この森に来なさい。私は姿を現わしますから‥。最後に私の形見だと思って、この不思議な球を持って行きなさい。この球はきっとお前を助けてくれるでしょう。
‥それでは、保名さま、童子丸、元気でね。さようなら。」と言って、白狐こと、葛の葉は去っていった。
それから長い年月が経ち、保名は歳をとって亡くなった。
そして、童子丸は大人になり、『安倍晴明(あべのせいめい)』という名前に変わり、京の都の帝(ミカド)の元で、『陰陽師(おんみょうじ)』として、働くようになった。
そして、この世で不可思議な事件が起こると、皆、彼、晴明に相談して解決を図ったという。つづく
紙芝居『葛の葉の白狐』(その5)

すくすくと童子丸は育ち、その子が五歳になった時のこと‥、
ある日。葛の葉はとても忙しかったので、囲炉裏の前で、ついウトウトと居眠りをしてしまった。
その気の緩んだせいか、着物の後ろから長い尻尾を出してしまったのである。
「あっ、お母ちゃんから尻尾が出た!」と偶然見た童子丸が声を上げた。
『しまった!』と叫ぶ葛の葉。
「子供とはいえ、私が白狐という正体が分かってしまった。‥もう、ここには居られない。」
と涙を流しながら、『恋しくば、尋ねて来てみよ 和泉(いずみ)なる 信太(しのだ)の森の うらみ葛の葉』と歌を一首書き残し、そこから静かに姿を消した。
その夜、その話を童子丸から聞き、その歌を読んだ保名は、
「あっあっ、葛の葉はあの時助けた白狐だったのか⁉︎」と叫び、次の日、童子丸を連れて、信太の森へ向かった。つづく
(大阪市 安倍晴明神社)
紙芝居『葛の葉の白狐』(その4)
紙芝居『葛の葉の白狐』(その3)

狐を追って来た男たちが、保名を見つけると近寄って来て、
「おい、今この辺りで、白狐が逃げて来なかったか?!お前、見なかったか⁉︎」と言った。
保名は、「いいえ、見ませんでしたよ。」と言うと‥、
「嘘をつけ!確かにこのへんに来たはずだ。うむ?お前の着物から獣の匂いがする!?お前、逃したな!」と言って、男たちは一斉に保名に殴りかかってきた。
多勢に無勢、保名はあっという間に袋叩きにあってしまった。
「よっしゃ〜、今日の所はこのへんにしといたる〜」と保名は、よしもと新喜劇風の捨てゼリフを半べそかきながら、男たちが去ってから、そう言って、傷を押さえながら家路に着いた。
そして布団にくるまり、寝込んでしまった。
傷はとても深いものだったのである。
その夜、優しくトントン、トントンと戸を叩く音がした。
夢うつつの中、保名は、
「‥どうぞ、私の他には誰もおりませんので、遠慮なく入って下さい‥。」と言って戸を見ると、そこには、若い綺麗な女性が立っていた。
その女性は言った。
「私は信太明神(しのだみょうじん)の近くに住んでおります[葛の葉(くずのは)]と申します。
‥今日、家の使いでナニワの町まで行き、薬をもらって帰る途中、ちょうど貴方さまのお宅の前まで来ると、家の中から苦しそうなお声が聞こえてまいりましたので、『何事であろうか!』と思い、お訪ねしたのでございます。おやっ!?そのお顔のお怪我‥。どうされましたか?」と尋ねると、保名は「はい、実はかくがくシカジカで、傷が痛んだ寝込んでいたのです。」と答えた。
「まぁ、それは大変!酷い目に遭われたのですね‥。これも何かのご縁。ちょうど私は良い薬を持っております。看病させて頂きますわ。」と言って、その[葛の葉]という女性は、その日から何日も保名を看病した。
こうして、保名はすっかり元気になった。つづく
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