住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『蓮如上人からのお手紙~伝染病について』(その5 最終回)

 そして最後に蓮如上人は次のようにおっしゃいました。
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『このような時代じゃからこそ、御門徒の皆様には、今まで言いました事をお忘れなき様お願いいたします。
 ・・私達は皆、阿弥陀如来の救いの中にあるのじゃよ。もったいない事、もったいない事、南無阿弥陀仏。』
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このお手紙を聞いて、御門徒達はハッとしました。
「・・蓮如様の仰るとおりじゃ。
 この病気に罹らなくても、いつかはワシらの死んでゆく身であった。
 その事を蓮如様は思い出させて下さった。
 一日一日を大切にして、頂いた命をありがたく過ごそうぞ。なっ、皆の衆!南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・」
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。」 
 こうして念仏道場は、安らかで力強いお念仏の声が響き渡ったのでした。おしまい
 (終わりに)
 現在、世界中で[新型コロナウイルス]が猛威を振るい、我々は不安な日々を送っております。
 このような病や死を身近に感じる時、私達は蓮如上人からのお手紙の中で、「我々は死んでゆく身である。」と改めて学ばせていただきました。
 そして不安に思う私たちへ、「限られた命を大切にして欲しい。阿弥陀様が見守ってくださっている。」とメッセージを受け取らせていただきました。
共に悩み、共に苦しみながらも、お念仏のみ教えを聞き、共に歩んで参ろうではありませんか。合掌

紙芝居:『蓮如上人からのお手紙~伝染病について』(その4)

 蓮如上人のお手紙はつづきます。
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『・・だがな、阿弥陀如来は常に私達を見守って下さっておられる。
 必ずお浄土へ連れて行くと誓われた仏様じゃ。
 御門徒達よ、私達が気づいていない時でも、阿弥陀如来は私達を救おうとされているのじゃ。
 この事を今一度思い出してくだされ。
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 ・・私達の不安な気持ちは消えるものではない。
 しかし、そんな私達一人一人を必ず救うと阿弥陀如来はおっしゃってくださっておられるのじゃ。
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 私達は「南無阿弥陀仏=[仏様ありがとうございます]」と、そんな阿弥陀如来に向かって感謝のお念仏を常に申すのじゃ。
・・皆様方の不安な気持ちはこの先もつづくじゃろうが、どうか阿弥陀仏を信じ、限られた命を大事にしてくだされ。』つづく

紙芝居:『蓮如上人からのお手紙~伝染病について』(その3)

・・御門徒の一人が、蓮如上人からのお手紙を読み始めた。(以下、私訳)
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『御門徒の皆様へ
 この頃、悪い疫癘(伝染病)が流行り、多くの人が亡くなっておられる。
 そちらの皆様も、さぞやご心配のことじゃと思われます。
 しかし、思い出してみて下されや。
 人は生まれた時から、皆死ぬ事が決まっておろう。
 それが私達の頂いた命のことわりというものじゃ。
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 今、多くの人達が伝染病で苦しんでおられる。
・・さぞや不安であろう。
 しかし、伝染病に罹った者は死に、罹らなかった者は死なないという事ではないのじゃ。
 私達はこの病気に罹らなかったとしても、いつかは命の終わりを迎えるのじゃ。
 助かろうとして、まじないや祈祷を行なっても、寿命を変えられる訳ではないのじゃ。』つづくじゃ

紙芝居:『蓮如上人からのお手紙~伝染病について』(その2)

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ここある村の念仏道場も・・、
「ナマンダブー、ナマンダブー・・」
この日もたくさんの御門徒(信者)さん達が集まり、お念仏を称えておりました。
 その一人の御門徒が悩みを話し始めました。
「伝染病は怖いのぉー。この前もわしの親戚が亡くなってしもた。・・いよいよ、人ごとでなくなって来たんじゃ。」
 それを聞いて、「わしらも、罹ったら死ぬんじゃろうか?これはわしらの行いに関係があるのかのぉ〜。」
「なんや、隣りの村ではまじないや祈祷をしたけんど、効かんかったらしいぞ!?」
と伝染病について話し合っておりました。
その時、一人の御門徒が走って道場に飛び込んで来ました。
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「おっおーい、皆の衆!今、蓮如様からお手紙が届いたぞー!」
「それは有難い!蓮如さまもきっとワシらの不安な気持ちを思いやって下さったんじゃろう!・・お前、その手紙を読んでくれ!」
「よしっ、皆、集まってくれ。・・うーん、何、なに」 つづく
つづく

紙芝居:『蓮如上人からのお手紙~伝染病について』(その1)

【御文章[第四帖九通]『疫癘(えきれい)の章』より】
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昔むかしの室町時代。
 この年[延徳4年(1492)]は、伝染病の流行により、多くの人々が亡くなっておりました。
 そこで、朝廷は[明応]と元号を改めましたが、一向に事態は良くなりませんでした。
 浄土真宗の本願寺第八代の『蓮如(れんにょ)上人』は、この当時流行していた伝染病にたいへん心を痛めておられました。
 そしてご門徒たちに一通のお手紙をお書きになります。
 それが『疫癘(えきれい)の御文(おふみ)』と呼ばれるものでした。
 疫癘というのは、今でいう伝染病のことです。
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 ここある念仏道場も・・。つづく

「無常やなぁ〜」

「院主さん、親父が死んで三週間。世の中は無常やなぁ、オレ自身も無常やぁと思いまんねん。」と、お参りが終わってお茶を頂いてる最中に、ある檀家の跡取り息子さんがしみじみと言われた。
 泣き言一つ言われた事の無い気丈夫な息子さんだったので、どうされたのかと聞いてみると、次のような事だった。
「オレは若い頃からヤンチャばかりして、ずいぶんと親父を泣かしました。が、親父が死んでなんか猛烈に後悔しましてん。もうちょっと孝行しとけば良かったと・・。で、よし、死んでちゃんと供養せなあかん!と思いましてんけど、三週間経ったらもう忘れかけてまんねん。
 仕事の事やら、家族の事やら、遺産相続のお金のことやらで・・。親父の事をどんどん忘れてゆきます。院主さん、ホンマに無常やなぁ。オレ自身。」
少し[無常。常無らず]という意味を間違えているような気はするのだが、根本的なとこは当っているように思える。
 しかし、そんな事は言わなかった。
僕は「そのお父さんを思う気持ちはちゃんと届いてますよ。」とだけ言って、その優しい息子さんの家を後にした。

「疫癘(えきれい)のご文章」から、「白骨のご文章」紙芝居へ

 蓮如上人の伝染病についてのお手紙である「疫癘の章」の紙芝居は完成した。
 それを何度も読み返しているうちに、人間の無常感を説く「白骨のご文章」にぶち当たってしまった。
 そして歴史的に調べていくうちに、このお手紙は、[伝染病]が蔓延する社会情勢を鑑みて書かれたものではないだろうかと思った。
 そう思えば、「これは是非紙芝居にしたい!」と、画用紙を引っ張り出して来てあっという間に、『蓮如上人からのお手紙2・白骨のご文章編』の下書きが完成した。
 こちらももうすぐ完成します。又、アップしますのでよろしくお願いします!

コロナ禍の『報恩講』法要が終わりました

 今年のコロナ禍の『報恩講』法要が無事に終わりました。
 今回も一階ホールにての法要でした。
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 今年は、勤行も法話も短縮バージョンでした。
 そしてフェイスガードを付けてのお話・・。
 が、たくさんの門徒さんがお参り下さいました。
 この日に合わせて作った紙芝居『蓮如上人からのお手紙~伝染病について』も初披露させていただきました。
何はともあれ、無事に終わってほっとしています。合掌

今年の『報恩講法要』は、ちょっと違う⁈

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 今月14日の観念寺『報恩講法要』は、いつもとはちょっと違います。
 まず、時間が午後2時からのスタートです。(いつもは夜の7時でした)
 そして、出勤して下さるお寺さんは(コロナ禍の為)お休みです。
 又、布教使の先生もお休みです。(少し僕が『新作紙芝居』で法話をします。お題はこの日に間に合わせて完成した『蓮如上人からのお手紙~伝染病について』です。)
 又、お勤めはいわゆる[内勤め]でします。・・観念寺の僧侶だけのお勤めです。
 又、今回も二階の本堂から一階ホールにテレビ中継をして、ソーシャルディスタンスを守って、ご門徒さんにはご参加いただこうと思っています。
 何分行き届かぬことばかりかと思いますが、よろしくお願い致します。合掌

河南町:介護者家族の会の会報に載りました

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いささか遅い会報ではあったが、河南町:介護者家族の会「さくらんぼ」の会報に、今年の新年会の僕の紙芝居法話の様子が掲載されました。
 これもコロナ禍の影響で、会報の編集が半年以上も遅れたそうです。
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 時はすでに秋。・・もうあれから、半年以上も過ぎたのですね。
一日も早いコロナの収束を念じます。合掌

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