住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居『まは、さてあらん‥』(その2)

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親鸞聖人は昔話を思い出され、語り始めました。
「恵信尼や、お前も覚えていよう。‥あれは旅の途中であった。
わしらは越後(新潟県)から、関東(今の茨城県辺り)に入った時。そう、今の上野の国(今の群馬県辺りか)じゃったかのう‥。
そこは大変な飢饉で苦しむ村じゃった。
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食べる物も無く、餓死した人の山ができて、泣く子供が大勢居た。
村人たちは、旅の途中のわしらに物乞いしてきたが、元より何もないわしらは何もやれんかった。
そこで‥、
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わしは思いついた。
『この人達のために『浄土三部経』を、一千巻読んで仏様にすがろう!と。
それしかわしは何も出来ないのだから‥、と。』
そしてわしはお経を一心に読み始めた。
それから4、5日経った頃、わしは気がついたんじゃ。
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 『わしは間違っておった!』と。
わしは功徳を頂こうとして、仏様にお経をあげておった。
 しかし、すでに仏様は我々を救う為にお念仏という功徳を下さっていた。
この上、何を頂こうというのか!
わしのすべきは、仏様の有り難さと感謝を説く事。それだけだ。
 ああ、わしは間違えておった。まだわしの信心はぐらついておる。‥反省をせねばと経典を、読むのをやめた。
 ‥昔、このような事があった。
それを今、鮮明に思い出したのじゃ。 つづく

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