住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『犬たちをおくる日(リメイク版)』(その4 最終回)

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さて回収車でやって来て、選ばれて助かった子犬達は、その後どうなったでしょう。
 この子犬達は、最低一ヶ月はセンターで飼育されます。
 人や他の犬に慣らされてから、新しい飼い主が待つ譲渡会(じょうとかい)にだされるのです。
 人に捨てられ、ここで一度は救われた命が、又人間の身勝手で捨てられることのない様に、しっかりと子犬の社会化トレーニングが行なわれるのです。
 犬の世話は、ただ餌をやり散歩に連れ出せば良いというのではありません。 
 たくさんの人間に可愛がられて抱いてもらう事で、人間への信頼を深めた子犬は誰からも可愛いがられる犬に育つのです。
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 さあ、新しい飼い主との出会いの日、「譲渡会」がやって来ました。 
 しかしその前に、犬を飼いたいと希望する人達に事前、講習会を受けてもらいます。
 この講習会では「命を預かる責任の重さ」を感じてもらう為に、犬が殺されてゆくビデオを見てもらいます。そのビデオを見て涙ぐむ子供や眉間にシワ寄せる人もいますが、犬達のその最後は、きっとこの人達に「その命、無駄にはしない」というメッセージを語りかけるに違いありません、
 小さな命を愛し大切にしようとする時、人の心に幸福感が生まれ、その心は満たされます。
 心が満たされた時、人は生きている事に喜びを覚えます。
 つまり、ペットを幸せにする事は、自分も幸せになる事なのです。
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 さてさらに講習会では、飼い主募集にいくつかの厳しい条件を出しています。
 たとえば、
[家族全員が動物を飼うことに賛成ですか?]
[死ぬまで、飼えますか?]
[経済的、余裕はありますか?]
[ご近所に迷惑を掛けずに飼えますか?]
など、八つの項目があり、すべてに同意できない人には譲ってもらえません。
 こうして「命を預かる責任の大きさ」を理解して下さった人だけに、子犬達は旅立ってゆくのです。
 きっと、子犬達に未来に幸せが待っているでしょう。
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 今、センター内には、動物慰霊碑が一つ建っています。
 今日は殺処分の日。
 一人の職員が手に小さな花束とドックフードを持って、手を合わせにきました。
 いつか、「犬や猫達の処分がゼロ」となり、この慰霊碑が不要になる事を願いつつ、今日も自ら仕事に真摯に向き合い、「日本一の愛護センター」を目指す職員達の奮闘は続いています。 
おしまい

(終わりに)
僕がこの紙芝居の取材に、四国の動物愛護センターにお邪魔したのは、今から10年ほど前だ。
 所長さん達にいろんなお話を聞かせていただき、又施設内を案内していただき、深い感銘を受け、紙芝居がより深いものになった気がしている。
 今も犬たちの遠吠えのような悲しい声を覚えているし、ここには描かなかったが、子猫たちの死骸が、一輪車でまるで雑巾のように運ばれてゆく光景が今も鮮明に目に残っている。
 この紙芝居は、今だからこそ皆さんに観て頂きたい一作品である。

 

紙芝居:『犬たちをおくる日(リメイク版)』(その3)

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ここは処分機の横のコンピューター制御室です。
ここからボタン一つで、犬たちはゆっくりと処分機に追い込まれて行きます。
それは職員にとって辛い仕事です。
ほとんどの犬が驚いた様子で、慌てて処分機へと移ります。
そしてボタンが押されて、ガスの注入が始まるのです。
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犬たちは驚き、一斉に暴れ始めます。
そしてガスが充満するに従い、犬たちは顔を上に向け、口を大きく開け喘ぎます。
そして数分後、犬たちはおり重なる様にその場に倒れます。
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やがて、ガスが完全に抜かれた部屋の扉が開かれると、糞尿と共に重なりあった犬たちの遺体が出てきます。
 その顔は殺されても、尚飼い主を信じているかの様に穏やかです。
職員はその犬達の首輪を一つ一つ丁寧に外し、その後再び処分機に戻して、ボタン操作で荷台へと移します。
焼却が始まるのです。
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摂氏800度の焼却炉の中、約三時間程で犬達は完全に骨となり、その後細かく砕かれ、土嚢に詰め込まれ産業廃棄物となって処理されます。
 犬たちの命は、決して灰になる為に生まれてきたのではありません。
生きる為に生まれてきたのです。
その命に対する責任は、捨てた飼い主だけの責任でないかもしれません。
 私達みんなで、その為に何が出来るかを考えてみようではありませんか。
 つづく

紙芝居:『犬たちをおくる日(リメイク版)』(その2)

昨日、14才で肝臓がんで亡くなった愛犬ポッキーの夢を鮮明に見た。
早くこの紙芝居を全部載せよ、という事なのだろうか?・・ペットって忘れられないなぁ。では、続きをどうぞ。
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 犬や猫たちを乗せた回収車が帰って来ました。
 皆、不安げに管理棟へと移動します。
 この時、命の選別が行われるのです。
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「おお、どの子も可愛いのぉ。全部、譲渡会へ出せんのかねぇ」と所長は言いました。が、それは育てる職員に負担があまりに大きくなる為、無理な事でした。
 このセンターでは、収容する半数近くが子犬です。
 子犬は野犬が産んだ子もいますが、飼い主が(自分の犬に子供を産まないようにさせる)不妊手術をしなかった為に産まれて、役所に持ち込まれたものも多くいるのです。
 その何割かは、新しい飼い主を募集する譲渡会に出されて助かりますが、全てそうはいきません。
 その大半は処分されるのです。
 飼い主の責任の持てない命は、不妊手術を用いて飼い主によってコントロールされるべきなのに、それをしない為に不幸な命を作り出す結果となるのです。
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さて、回収車から下ろされた大人の犬達が、管理棟の中の収容室に移されました。 
 この犬達は到着してから中五日、長くても中八日で、殺処分されます。
 これらの犬は、飼い犬であったせいか、人間を信用しきっています。
 職員が管理棟の中に入って来ると、大喜びで尻尾を振って走り寄って来ます。
 きっと飼い主が迎えに来てくれたと思っているのでしょう。
が、しかし・・
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 犬達は収容室から誘導通路を通り、通称[ドリームボックス]という処分機に送られます。
 この部屋に二酸化炭素ガスが流し込まれ、犬達は死に至るのです。
つづく

紙芝居:『犬たちをおくる日(リメイク版)』(その1)

コロナ禍、スティホームで人と人との繋がりが無くなり、子犬や猫などのペットを飼う人が増えたとか、・・と新聞に書かれていた。がしかし、その反面安易な気持ちで飼ったがゆえに育て方の難しさから、捨てたり保健所に預ける人も増えたとか・・。
 この紙芝居は、原作者の今西乃子先生の許可を得て約10年前に作ったものだ。
 内容は命の大切に考えるドキュメンタリー的なものなのだが、今一度[大人向け]にリメイクして、この時期に全て描き直して作ってみようと思った。
それでは、はじまり、はじまり。
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「ねぇ、ここはどこなの?
それにどうして、僕を置いてご主人は行っちゃったの?
僕とっても不安だよ。これからどうなるの?」
・・と、言いたげな目でこっちを見ています。
 ここは、捨てられた犬や猫たちが集まる動物愛護センターです。
 いったいこの後、この動物達はどうなるのでしょうか?
 これは、そんな捨て犬達と愛護センター職員のお話です。
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 ここは四国の愛媛県動物愛護センターです。
 場所は松山市街の桜の木々に囲まれた山の中にあります。
 このセンターに、愛媛県内20の市や町の犬や猫が回収車で集められます。
 ここでの仕事は、主に二つあります。
 その一つは、犬や猫を飼っている人、又これから飼いたいと思っている人への相談やアドバイス。又、センターにいる犬や猫の新しい飼い主を募集し譲り渡す会[譲渡会]やイベントの実施です。
 これは人と動物が、これから上手に付き合ってゆく為の「知らなかった事に気づいてもらう活動」で、これを[愛護業務]といいます。
 そしてもう一つは、
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家庭で飼えなくなった犬や猫の引き取りや、野犬や野良猫、迷い犬の収容。そしてその処分や焼却です。
これを[管理業務]といいます。
 つまりこのセンターでは、
(1)「犬や猫を可愛いがろうと呼びかける仕事」と、
(2)「捨て犬や猫を処分するという仕事」を行っているのです。
 この二つは、まったく正反対の様に思われがちですが、実は根っこの部分で大きくつながっているのです。
 愛護センターは、犬や猫の処分を目的とした機関ではありません。
 飼い主が、動物への理解や知識が足りない為に放棄した犬や猫の処分を、これからどう減らしていくか、理解してもらうのが目的としてあるのです。
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プップー、「バックオーライ。ストップ!」
今日も引き取られた犬や猫達を乗せた回収車が帰って来ました。
 つづく

今、『達磨(だるま)大師』の紙芝居を作っています

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「だるまさんがころんだ!」という遊びで有名な『達磨大師』の紙芝居を今、作っています。
 享年150才で亡くなったという伝説のある、偏屈で強靭(七転び八起きで知られていますね)な精神を持つインドの聖者。
 魅力あるこのお坊さんの紙芝居が半分以上完成しました。
 コロナ禍に負けないような人間の姿を描きたいと思っています。
 お楽しみに!

紙芝居「犬たちをおくる日」が、テレビで紹介されました!

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日本中央テレビ制作の『よみっこか~もとおはなしタイム』という番組で、紙芝居『犬たちをおくる日』が紹介されました。
 四国のテレビ番組だそうで、今日その放送を焼いたDVDが送られてきました。
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 そのDVDを見ると、確かにお寺と僕の名前が出てました。(生で見たかった!)
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 番組自体は、紙芝居そのままを放送されていました。(14分、ただし、子供の番組上カットした場面もありました。)
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 そういえば・・テレビ局から「紙芝居を使って番組を作り放送しても良いか?」という電話が去年あったような?・・そんなことも忘れていたので、とても懐かしく拝見できました。

紙芝居『犬たちをおくる日(リメイク版)』完成近し!

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(2012年度版)
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(令和3年度リメイク版)
 今西乃子先生の名作「犬たちをおくる日」を紙芝居化した作品のリメイク版がもうすぐ完成する。
 これは、捨て犬や猫などの小動物の殺処分を『動物愛護センター』という場を舞台とした物語である。
 実際、僕も現場にお邪魔して取材し紙芝居にしたものである。
 又、作者である今西先生のご指導も仰ぎ、作らせてもらった大作でもある。
 2012年には、あまりにリアルな紙芝居であると思って、大人版の完成後、子供版を作り直し、すべて描き直した。
 その使わなかった大人版は、倉庫の奥にホコリをかぶって眠っていた。
 しかし、あれから10年が経ち、空前のペットブームが再び起こっている昨今、今こそ[大人の紙芝居版]を作り直して発表する必要があるのではないかと思ったのだ。・・ペットが家族なら、その家族といつまでも仲良く生活を続けていける様に願いを込め。
 もうすぐ、このホームページでアップします。ご期待を!

こんな初夢を見た

今年、こんな初夢を見た。

僕は小さなレストランで座っている。
そのこじんまりしたレストランは、コロナの影響か?すいている。
すると、そこに洒落た洋服を着た小さなおじいさんが、僕の前に座る。
そして「あんたは、奉仕活動をした事があるのか?」と笑いながら僕に問う。
僕は「はぁ?!」と言うと、おじいさんは去って行く。
 僕は考え反省して、このレストランの女給さんを呼び、「こちらのお店に、感想や要望を書く用紙はないですか?」と言って、その紙を貰い「こちらのお店で紙芝居を使ってお手伝いすることは出来ないですか?」と書いて渡す。
するとマスターが現れ、空き時間を使ってココで紙芝居を演じて欲しい!と頼まれ、okして打ち合わせをしていると・・ここで目が覚めた。
・・こんな変な夢だ。
 何故か現実味があって、正夢になる様な気がしてならない。(笑い)

謹賀新年

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謹賀新年!
本年も「お寺の出前 紙芝居屋亭」をご贔屓に。
宜しくお願い致します。合掌

コロナ禍の中での今年の「お寺の出前」

コロナ禍の中で、今年「お寺の出前(紙芝居法話)」は、キャンセルの嵐でほとんど出番が無かった。
 こんな事は初めてである。
 今年の初めには、すでに[24]件から出前の依頼をお聞きしていたのだが、コロナ禍で、結局一年で出講したのは[5]件。
 ・・コロナ関係、つまり「感染病関連」の紙芝居ばかりを作り、その数は増えたが、(このホームページ発表以外)その出番はほとんど無かった。
 さて、来年はこのコロナ禍関連の紙芝居たちの出番はあるのか無いのか?・・・そんな事は分からない。が、そんな事は良い。今作りたい、作らねば!と思った紙芝居を僕は作ろう!来年も!
 コロナウイルス感染拡大の終息を一日も早く願っております。
 皆様、良いお年をお迎えください。合掌

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