住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『楠木正儀(まさのり)和平派ここにあり!』(その4)

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・・がしかし、その楠木正儀(南の朝廷)と細川(北の朝廷)との秘密の相談が、味方に露見してしまいました。
「楠木正儀が、北の朝廷と秘密理に連絡を取りあっているらしいぞ!・・あやつ、寝返るつもりか!?」と、噂が立ったのです。
 それを聞いて正儀は「ちっ違う!誤解だ!私は皆が仲良く暮らせる方法を探っているのだ!」と賢明に味方に訴えました。
が、誰にも理解されず、益々彼は孤立していきました。
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 その内、正儀を信頼してくださっていた天皇も亡くなり、新たな天皇や楠木一族にも疑われるようになりました。
 「そんなに孤立されているなら、いっそ、北の朝廷側に来ないか。そなたの器量なら北の朝廷は大事にするぞ」という細川からの誘いもあり、(これって今のヘッドハンティングやなぁ・・知らんけど) 正儀は結果的に、身近な家来だけを連れて北の朝廷側に駆け込んだのでした。
 そう、正儀は味方を裏切ることになりました。
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 北の朝廷のリーダー細川氏は喜びました。
「正儀殿、よくぞおいでくださった。さぞやお辛いご決断でありましたでしょう。」と大変感謝して、正儀を北の軍の重要ポストにつけて、暖かく迎えてくれました。
 正儀は裏切り者のレッテルを貼られながらも、ここでも南北の朝廷統一に向けて、賢明に働きました。つづく
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(金剛山:千早城跡)

紙芝居:『楠木正儀(まさのり)和平派ここにあり!』(その3)

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 それからも、北と南の二つの朝廷の争いは続きました。
 正儀は、武家のリーダーとして、戦さの場で懸命に働きました。
 そして何度も勝つ、負けるを経て、ついに京の都を奪い返したのでした。
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 がしかし、念願の京の都に戻れた(正儀等の)南の公家たちは、浮かれて油断しました。
 そのすきを見つけた北の朝廷の軍たちは、京の都へ襲い掛かり、その結果またまた、正儀たちは戦さに負けて、河内へと引きあげたのでした。
 このようなことが、結果的に合計四度もありました。
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 疲れ果てた正儀は思いました。
「京の都を制圧しても、逃げた敵は又盛り返して帰って来る。・・そして又奪い返される。こんなことの繰り返しでいつまでも平和は来ない!
・・うーん、それよりも平和的に、北と南のそれぞれの天皇が一代ずつ交代しながら、この国を治めるという考えではどうなのだろうか⁉」と。
 ちょうどその頃、北の朝廷内でも(正儀と)同じ考えを持つ[細川]氏という武将が居るという事を知った正儀は、すぐに秘密裏に手紙を書きました。
 そして、やがてお互い意気投合した正儀と細川は、極秘に和平の道を模索し始めたのでした。つづく
 
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(富田林:嶽山(だけやま)城跡[現在のかんぽの宿])
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(河内の楠木正儀の城と云われている)

八尾の魅力セミナーへの出前

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今日は、八尾市の[アリオ八尾]という巨大ショッピングセンター内にあるイベント用舞台へ、紙芝居の出前に行って来た。
 テーマは[八尾の魅力セミナー]、つまり八尾にご縁のある偉人の紙芝居お話会である。
 演目は「中甚兵衛」、「大石順教尼」、「妙好人おしも」の三本。
 奇しくも、今日は4月21日,大石順教尼さんのご命日。
 不思議なご縁で頂いた、紙芝居会でありました。 
 八尾市観光ボランティアガイドの皆様、そしてご協力頂いたFMチャオさま、ありがとうございました。

紙芝居:『楠木正儀(まさのり)和平派ここにあり!』(その2)

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 その楠木一家に大きな転機が訪れます。
 それは、まず父楠木正成の[湊川合戦]での戦死。
 そして月日は流れ、長男・次男の戦死する[四條畷合戦]です。
 その四條畷合戦の前、長男正行(まさつら)は、正儀に言いました。
「正儀、お前は故郷河内(かわち)に残れ。
 後の事はお前に任す。・・おそらく俺たちは父のように戦さで死ぬだろう。
 お前は知恵者だ。その冷静な頭脳で楠木一族を守ってくれ。
 頼んだそ!」
と言って戦場で次男と共に戦死しました。
 こうして正儀は、わずか20歳の若さで楠木一族の頭領となったのでした。
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 正儀はお寺で亡き父や兄たちに呟きました。
「父上、兄上、どうしてあのような負けるとわかってる戦さで、命を落とさねばならなかったのですか?!
 無駄死にでは無いのですか⁈
 公家たちからの命令だったからですか?
 彼らはいつも命令するだけ・・。
 戦って血を流すのはいつも武士だけ。
 そしていつも万民は迷惑を被る。
 あぁ、私は命令されるだけではなく、正しく自分で考えて和平の道を選びたい。
・・しかし私は武士の頭領。命令どおりに戦い続けるしか無いのでしょうか?」と呟いたのでした。
 正儀の苦悩のはじまりでした。つづく
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(富田林:正儀の母(久子さま)の住居跡[観音寺内])
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(楠母神社:正儀等三人の子と母の像)

紙芝居:『楠木正儀(まさのり)和平派ここにあり!』(その1)

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 昔々の南北朝時代のお話。
 これは[楠木正成(まさしげ)]の三男[楠木正儀(くすのきまさのり)のお話。
 この正儀(まさのり)は、長男の熱血漢[楠木正行(まさつら)]とは違って、物静かで思慮深い三男坊でした。
 だからと言って、決して彼は臆病者ではありません。
 彼はやはり父親[正成]の血を受け継いで、優しさや勇気を十二分に備えておりました。
 がしかし、その思慮深い性格が、彼を悲劇へと向わせます。
 ・・さてこのお話は、父・楠木正成の熱い血を受け継ぎながらも、平和主義ゆえに歴史に揉まれ、結果的に『裏切り者』『臆病者』と呼ばれた一人の武将の物語です。
 はじまり、はじまり~ 
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 楠木正儀は、正成の長男や次男の兄弟とは違って、一人読書に夢中になる少年でした。
 兄たちは「おのれー朝敵め!おれがいつかやっつけてやる!」と毎日剣術に汗を流していました。
 が正儀は「私は平和というのは、チカラでねじ伏せて勝ち取るものではないと思う。お互いが話し合い、譲り合ってこそ平和は訪れるものだと思うんだ・・」と思っていました。つづく
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(金剛山:楠木正儀の墓)

大阪市城東区:栄照寺さまの[灌仏会]の出前と取材

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昨日は大阪市城東区の『栄照寺』さまの灌仏会法要(お釈迦様の誕生を記念する法要)にお招き頂き、紙芝居法話をさせて頂いた。
 演目はもちろん紙芝居『お釈迦様物語』。
 そして今、世界情勢が不安であるため『三尺三寸の箸』、『共命鳥』の紙芝居も披露して、世界平和についても少しお話させて頂いた。
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 そして、今日は月刊誌『地域寺院』という(お寺専門の)雑誌の取材もあって、午前中は観念寺で、午後からは[栄照寺]様での取材と忙しい一日であった。
 榮照寺の皆さま、又地域寺院のジャーナリスト北村敏泰さま、フォトグラファーの成田舞さま、大変お世話になり有難うございました。
 夏頃に発刊予定との『地域寺院』と『中外日報』、楽しみにしています。よろしくお願い致します。合掌

堺市:極楽寺様の永代経法要への出前

昨日は堺市極楽寺さまへの17回目の紙芝居法話の出講だった。
 今、檀家さんが一番気に留めておられる事は、ロシアの武力侵攻との事。
 この戦いは我々に無関係ではないのだ。
 法話はタイムリーで生き物でなければいけないと僕は常に思う。
 そこで紙芝居は、与謝野晶子さんを演じて、皆で「君死にたまうことなかれ」の詩をご一緒に読んだ。
 地元堺市での法要でもあり、皆さん大きな声で読んでくださった。

春の紙芝居出前イベントとセミナー

春の紙芝居出前イベントとセミナーのご紹介をします。

 4月21日(木)18時30分より[八尾の魅力セミナー]
 会場:アリオ八尾光町スクエア/アリオ八尾一階 
 受講料:無料 先着30名
 テーマ:中甚兵衛と八尾にゆかりの人々が紙芝居でよみがえる
 主催:八尾市観光ボランティアガイドの会・共催:FM八尾
 電話:072-934-2081 
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 4月29日(金)14時より
 会場:国指定重要文化財[旧杉山家住宅](富田林市富田林町14-31)
 入館料:大人400円子供200円 20名
 テーマ:土間でおはなし・住職さんの紙芝居~富田林の縁のある人物について大人も子供も紙芝居で楽しく学ぼう
 管理運営:富田林市寺内町4施設 指定管理者(株)アスウェル
 電話:0721-23-6117
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お墓参り写真展

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今年で11回目となる全国公募『お墓参り写真展』。
 お寺の檀家の石屋さんが、石屋産業青年会で立ち上げたプロジェクト、今年もやるらしい。
「院主さん、今年もポスターが出来たのでお寺で貼ったください!」と元気よく頼まれた。
「コロナ禍なので効果薄いと思うで〜」と言いながら、頑張っている青年店主に応援のつもりで、今年も院内に貼らせていただきます。

びじゅチューンEXPO!リターンズ展に行ってきました

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世界情勢が不安定な時ではありますが、前売り券を買っていたので、梅田へ『びじゅチューンEXPO!リターンズ』展へ行ってきました。
 知る人ぞ知る、NHK教育テレビの人気美術?番組のマニアック展です。
 僕も紙芝居を描くので、このミニ番組が好きなのです。録画して見ています。
 案外、展覧会は空いてました。
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 余談ですが、昔、僕の中学校に、そろばんで絵を描く有名な美術の先生がいました。僕は尊敬していました。が、教育者では無かった。・・それはこんな事があったからです。
誰が見てもヘタな絵というか?上手くない絵を描く友人がいました。
彼はその先生に、自分の絵を「先生、僕の絵うまいでしょう!通知表で4を(5が最高)付けてください!お願いします!」と誰が見ても才能が無いような絵に高得点を願い(相手がしつこいから、それに負けて)先生は付けてました。その事を実際、先生から「あいつはしつこいから面倒やねん」と聞いてしまったのです。絵に点数を付けるという方針もおかしいですが、僕はがっかりしました。
 先生はアーティストであるが、教育者では無かった。
 さて、僕も「お前は紙芝居ばかり描いていて、本当に宗教者なのか?」と聞かれたら自信はありませんが、「坊主が宗教的境地を少しでも絵でお話しで表したい為に紙芝居を描いている変な宗教者なのです」と答えたい。
 決して力(権力、圧力)に妥協したくない。そんな事をいつも思っているのです。

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