(播磨屋忠四郎)
「ところでなっ・・、
津波と云うのは、沖から波が来るだけではないんだっせ。
海辺近くの海底から、水が吹き上がってくる事もあるので、海辺近くに畑を持っておられる方は、泥水の噴出しに十分注意をしてくだはれや。
又、今回、海辺から遠く離れた〔大和の古市〕という所でもな、池の水が大地震の後、突然溢れ出し、多くの家が押し流されたと伝え聞いてますんで、大きな川や池の側の住民も、十分注意してくだはれや。
(現在の奈良市:古市町の池中古墳/新池)
「さてさて皆様方、これまでお話しさせてもらいました事をよーく踏まえて、地震の後には〔津波〕が起こるかもしれんので、地震の後には舟には避難したらあきまへんねんで。・・津波は普通の高潮とは違いまんねんからな。
又、日頃からの〔火の用心〕も大切でっせ。お金や貴重品なども大切に保管しとくようにな。・・たのんまっせ。」
「さぁっ、そろそろわしも御浄土に還る時刻や。・・この話も終りにしまひょか。
そうそう、大事な事を言い忘れとった。
どうか、心ある人は、わてらが刻んだこの石碑を、後世まで大切に残して、伝えていって欲しいんや。
そして願わくば、この彫った文字が読めんようになってきたら、
どなたか、墨を入れて、又、みんなに読めるようにしてもらいたいんや。
・・・おおっ、大丈夫なようやな。この平成の時代までも、ちゃんと何度か、墨を入れ直してる後が見えるわ。 よかった、よかった。おおきに、おおきに。
それでは皆様方、御元気で。又、御浄土で会いまひょな。
ほな、さいなら。
・・・んんっ、還ろうとしてんのに止めるお前は誰や?
・・えっ、〔ハッタり屋観念四郎〕ってか? 変な名前やなぁ、ひょっとして、わしのパクリか?・・まぁええわ。何の用事や?
・・ええっ、なんぞ言いたい事があるって?・・それも、みんなに言いたいけど、恥ずかしいから代わりに言うてくれってか。写真だけで勘弁してくれやて。
・・そっちの方がよっぽど恥ずかしいと思うけどなぁ・・。まぁええわ。ほなっ、皆さんに写真で挨拶せぇ。わしが声出したるから。・・ええか、準備オッケイか?・・よっしゃ、」
『皆様方、地震の後の津波には、くれぐれもご用心でっせー。』 おしまい
尚、この紙芝居の実践風景は、下記の『イベント坊主』さんのホームページで見れますので、恐いもの見たさの方、いや、御関心おありの方は、覗いて見てください。
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