住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「妙好人 赤尾の道宗」(その4)

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こうして弥七、いや、道宗は熱心な念仏信者になりました。
 やがて幾年月か経ち、故郷の越中・赤尾村に帰った道宗は、自分の家を[念仏道場]に改築して、村人たちに、お念仏の教えを布教し始めました。
 質問されて、解らないことがあれば、すぐ京都に旅立ち、蓮如さまにその疑問を、尋ねられたという事です。
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(道宗の生誕地にある行徳寺さま)
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(道宗道:この道を通い、道宗は蓮如さまに会いに行かれたという)
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(籠の渡し:道宗はこの籠に乗り川を越え、何度も京へ行かれたという。一度でも危険な命がけの籠渡しだ)
つづく

紙芝居:「妙好人 赤尾の道宗」(その3)

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 蓮如さまはおっしゃいました。
「・・皆さん、安心してください。阿弥陀如来さまは、いつでもどこでも、私たちを守ってくださっています。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。」と。
 このお話を聞いて、弥七は目の前が開けたような気がしました。
「なっなんと、阿弥陀様っちゅう仏様は、おっ父やおっ母のように、常にオラに寄り添い守って下さっているのか!」と。
 弥七は、その日から三日間、本願寺の縁の下で寝泊まりして、蓮如さまのお話を熱心に聴聞しました。
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 「誰かっ、あの三日間、熱心に聴聞している童を、ここに呼んでまいれ!」と、蓮如さまは真剣な表情の弥七が気に成り、お会いになりたいと思われました。
 そして、弥七は蓮如さまの庫裡(くり)に呼ばれました。
 「そなたの名は何という?」と、優しく蓮如さまは尋ねられました。
 「はい、弥七と申します。越中より参りました。」
「ほおっ、そんな遠くから参ったか!・・で、なぜじゃ⁉」
 弥七は、父母に死に別れて寂しかったこと、家出をして筑紫の国に旅立ったこと、途中不思議なお坊さんに出合ったことなど、夢中で話しました。
 それを聞いて蓮如さまは、弥七の手を握り、
「そうか、そうか、それは辛かったのぉ。寂しかったのぉ。これからは、阿弥陀様という仏様が、お前の父母じゃぞ。・・のぉ、弥七、お前はこれから仏様の弟子[道宗(どうしゅう)]と名のれ。・・これから、一緒にお念仏のお救いを学ばせて頂こうのぉ。道宗!」と言われました。
 「はいっ」と、弥七はあまりの嬉しさに、目からぽろぽろ涙を流して感動したのでした。 つづく

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