住職のつぼやき[管理用]

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「紙芝居」の色塗りをしていて思うこと

 最近、(水彩絵の具で)「紙芝居」の色塗りをしていて思うことがある。
 たとえば「空」の色を塗る時は、当然、〔スカイブルー〕や〔青色〕、そこに〔白〕で雲を描いたりし、そして夜なら〔藍色〕、あめが降りそうだったら〔灰色〕に黒を混ぜながら描く。
 又、昔の農家の「壁」の色や、お百姓さんの「着物」の色は、〔こげ茶〕や〔ふかみどり〕などを使う。
 しかし、そんな単調な色合いだけでは、うまく僕の主張は表現できない。

 つまり、木造住宅の柱や壁なら〔こげ茶〕を塗っていくのだが、そこに人間が棲み、生活の営みがあるのだから、当然汚れていなければならなくて、〔こげ茶〕だけではダメで、そこに〔黒〕や〔黄緑〕を混ぜたり、又、水で〔こげ茶〕を薄く薄くして、光の濃淡を出したりする。(その物語の主人公の《心の表現》も(周囲の背景の色あいで)表現することが多い。)
 ・・それで何が言いたいかというと、つまり今、生きている我々人間も、紙芝居の〔色〕と同じようなものだと(最近)思うのだ。
 初めから、〔真っ白〕や〔灰色〕や〔金色〕だけの色を持った人はいないのに、我々は勝手な主観によって、その人の持つ〔色〕を決めつけて、その人と付き合い、その結果、減滅して嘆いたり、喜んだりする。

 〔一色〕だけの人など、居ない。
周りをくまなく照らす光輝く〔金色〕のようであるが、その中に暗い闇のような黒色を滲ませている人も居るだろう。
 又、その逆もあるだろう・・。
 その人の持ついろいろな〔色〕を見つめ、観察しながらお付き合いする事が、(自分にとって)寄り良い人間関係を続けていく為の秘訣になるのではなかろうかと思うのだ。
 
 はてさて、今(この時の)僕は〔何色〕か?・・灰色か?青か?赤色か?もしくは金色に濃い緑を混ぜた色なのか?
 ・・そんなことを思いながら、昨日もせっせと「紙芝居」の色塗りを済ませて、一作完成させたのであった。
 
 
 

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