住職のつぼやき[管理用]

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あぁ、何故かとても悲しい・・・

 今、『特養老人ホーム 甍』から、帰って来た。
 今日は、今年初めての《講話クラブ》の日でもあり、ちょっと張り切っていた。
 ・・が、今とても悲しいというか、寂しい気持ちで一杯である。
 それは何故か?・・答えは、皆さん凄く《お年》を取られたように感じたからである。
 この施設に最初に寄せて頂いたのが、平成13年の2月だったから、約8年が経つのだが、最初からこのクラブに来られていた方の顔ぶれもずいぶんと変わった。
 今日、皆さんの前に立って、一年の最初のご挨拶をした時、改めてその事をすごく感じたのだ。
「あぁ、あの方も、あの方も、もういないのだなぁ・・」と。
 又、あまり攻撃的な言葉を使わなかった《認知症》の或る女性も、今日は「自分の大切な数珠袋のセットが、ここで無くなった!」と随分周りに、そして僕に当たり散らして居た。

 そして、話が終ってから、一生懸命、今日の話の感想を言って下さった(このクラブのファンの)女性の言葉も、今日は何を言っておられるのか、全くわからなかった。(僕は笑顔で解ったような顔をして頷いていたが、相手は話が通じていない事を薄々感じておられるようで、・・僕はつらかった。よだれを拭きながら何度も喋ってくれたのだが、それでも解らなかった)
 僕がいつも教えを乞う車椅子のTさんの言葉も、うまく聞き取れなかった。

 「みんなお年を取られたのだ!」
 そんな話を帰りに女性職員に話したら、「私もそれは感じてます。ここに就職して4年。三分の一の方の顔ぶれが変わりましたので・・。
 又皆さん、それなりにお年を取られましたが、・・でも、この一階のフロアーに降りて来られる方はまだ良いのですよ。上の階で、もうベットから動けなくなった方とかは、もっとお辛いですよ」と言われた。
 僕もいずれ、そうなるのだろうが、「あぁ、年を取るって、本当に悲しいなぁ・・」と帰り車の中で一人叫んだ。


 

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