住職のつぼやき[管理用]

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「私、明日死にますねん・・」

 昨日は、特養老人ホーム『甍』の月例《講話クラブ》の日であった。
 (《講話クラブ》という名ではあるが、内容は『紙芝居法話会』である)
 そこで、始まるまでの準備をしていると、初めに来られた車椅子の高齢女性が、僕に向かって一言。
「住職さん、私、明日(あす)死にますねん。生きててもしゃあないし・・」と言われた。
 それを聞いた女性職員が「○○さん、変な事言わんといて下さい!」と慌てて言われた。
 僕は『何かあったのかな?』と思って、「まぁまぁ・・」と間に入り、「へぇ、明日、死ぬんですか?もう決めてはるのですか?・・又、なんで?」と聞いた。
 すると、片手を顔に当てて、下を向いてそれ以上何も言わなくなって、そのまま寝てしまわれた。
 僕は『勝手なことだけ言って、さっさと寝やんといてくれ!』と思ったが、《クラブ》を初めなくてはいけないので、そのままほっておいた。
 この方、最後までずっと気持ち良く休んでおられ、話しが終ったら合掌して、自分が何を言ったかなんて忘れられ、おやつを食べにさっさと帰ってしまわれた。
 僕は「こんなもんなんやろなぁ・・」と思った。
 誰でも、誰かに自分の〔心の叫び〕を浴びせたい時がある。
 この方のそれが、今日はたまたま僕であったのであろう・・。

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