住職のつぼやき[管理用]

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《カナン・デイサービス》への出前

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 昨日は、わが町《カナン・デイサービスセンター》への出前の日であった。(写真はその風景)
 ここは、自坊(観念寺)のすぐ近くの《デイサービスセンター》なので、お集まりの方が、檀家さんやご近所のお年寄りの方が多く、いっけん、お話をし易いような、しにくいような・・微妙な場所なのである。
 ・・というのも、ココっという所で「そやなぁー」とか「ありがたいなぁー」とか絶妙の相づちを(さも打ち合わせをしてたかのように)打ってくださるかと思えば、「それ、前も聞きましたなぁー」とニコやかながら、心臓を刺すような事をハッきりと言って下さるからだ。(笑い)
 さて、昨日はまだ《彼岸中》という事もあり、前半は『お彼岸の意味』のお話をし、後半は『二つの墓穴』という紙芝居を見ていただき、同じ時間を過ごさせていただいた。

 お話会が終わった後、今日は、こちらに入居されている元〔檀家総代〕(98才・男性)のお部屋にお見舞いにお伺いした。
 ・・(お見舞い)というのも、もうこの方は寝たきりで酸素マスクをつけておられ、絶対安静の状態が続いているからである。
 お部屋に入って、耳元で「観・念・寺の・宮・本です。こ・ん・に・ち・は!」と言ったら、薄目を開けて「うぐ、うぐ」と頷かれた。
 それで僕は、「端(タン)がつまって苦しくなったら、自力で『グァー!』と言って出すんですよー。機械にばっかり頼ったらあきまへんでー」と言ったら、「グアー!」とその場で言ってくれたので、〔わかってくれてる〕と思ってうれしかった。
 それで、「おしっこも、自力で出さなぁあきませんでー」、そして「最後に、もうどうしようもなく苦しくなったら、『助けてくれー』って言うのじゃなくて、『南・無・阿・弥・陀・仏』って言うのですよー!」と言ってきた。そしたら又薄目を開けられ「おぅ・ぎ・にー(おおきに=有難うという意味)」と言われたので、僕は「うん、うん」と頷いて、今日の出会いに感謝して帰ることにした。
 
 

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