住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『人生いたるところ教えあり』

 ・・この紙芝居は『華厳(ケゴン)経』というお経を元にして作ったものである。ちなみに『華厳』とは、《美しい華で飾られた》という意味だそうだ。又余談になるが、この紙芝居の主人公は奈良・西大寺の〔善財童子〕像をモデルにして描いた。
ファイル 124-1.jpg 〔仏教もの31〕
 昔、ある所に〔善財(ゼンザイ)童子〕という、ひたすら悟りを求める、まじめな少年がいた。
 ある日、彼は〔悟りの道〕を求めて旅に出ることにした。
 まず初めに彼は海に向かい、そこで一人の《漁師》に出会った。
 その漁師からは『海の神秘さと命の源』について話を聴く。そしてその漁師から「君は素直な性格で気に入った。隣り町にりっぱな《医師》がいるので会ってみなさい」と紹介される。
 童子は言われたように素直に町へ向かい、そこで一人の医師に会う。そして医師からは『人に対する時の慈しみの心』を教わり、そしてこの医師も童子が気に入り「この町の〔長者〕に会ってみてはどうか」と又々紹介される。
 こうして、次から次へと童子はさまざまな人を紹介され、学びを深めてゆく事になる。
 ・・その長者からは『すべての物の価値』について学び、〔座禅を組むお坊さん〕からは『静かな心から出る優しい気持ち』を学ぶ。
ファイル 124-2.jpg
 又、〔心の優しい夫人〕とも出会い、彼女からは『奉仕の心のすばらしさ』を学ぶ。
 このように童子は『《学ぶ心》さえあれば、出会う人すべてから教えを受ける事ができるのだ』と悟ったのだった。
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 それは町で遊ぶ〔子供達〕からも、〔華を生ける老婆〕からも、〔お香を焚くお爺さん〕からも仏の心を学ぶ事が出来たのだった。
ファイル 124-4.jpg
 ある日、一休みしていた童子は、朽ちた老木からも一本の〔若木〕が生えているのを見て、『すべてのものは移り変わる!生まれたものは成長し、やがて滅びる。・・が、又新しい命を残してゆくものなのだ!』と大きな悟りを得た。
やがて童子は旅の途中、〔太陽の輝き〕や〔星の瞬き〕さえ、《教えの姿》として学ぶ事になり・・・、
ファイル 124-5.jpg
やがて、最後は悟りを開き〔偉大な賢者(仏)〕になったということだ。おしまい

(・・余談だが、童子がこの旅で出会った人の数は全部で《53人》。この数字が〔縁起が良い〕というので『東海道五十三次』という宿場が生まれたとの事だ・・・日本ってこんなんばっかり!・・・ちなみに『ヤジさん・キタさん』も、ソレナリに成長したんかなぁ?)


 

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