「押すなよ!絶対に押すなよー、三途の河に落ちるからな!」てな事を言いながら、証空に化けた(燃えない着物を被った)お不動様は、鬼達に連れられて閻魔大王の前にやって来ました。
閻魔大王は言われました。
「これ、証空とやら。そちは何故、ここに来たのか?さぁ答えてみよ!」と言って、その着物を剥がしてみると・・
「あっちゃー!」とびっくり!
「これは、なんと!お不動様ではございませんか!・・申し訳ございません。何かの間違えで!・・えっ〜、『証空の身代わりになってここまで来た』と、それはそれは、涙ぐましいお心持ちで!・・ええい、このバカ鬼どもめ、ずが高い!すぐにお縄をお解きし、皆で土下座じゃ!申し訳御座いませんでしたー。そしてお茶、お茶じゃ!」と、てんやわんやです。
鬼達は叱られ損で「俺たち、聞いてないよ〜」と嘆いています。
そしてすぐにお不動さまに、仏の世界に丁重に帰って頂きました。
やがてこのお話は、広く世に伝わり、掛軸のお不動様は『身代わり泣き不動』というお名前で呼ばれるようになりました。
さらに、このお不動さまをモデルにした仏像も作られ、今も京都の清浄華院というお寺にまつられています。めでたし、めでたし。おしまい
(清浄華院で頂いてきたお不動さまの御絵の写し)
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