住職のつぼやき

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紙芝居:『新・中将姫』(その2)

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新しい妻(母親)は、中将姫を嫌いました。
それは、中将姫が自分より美しかったからです。
そうです。この妻は自分がこの世で一番綺麗だと思っていたのです。
 さらに、この妻には秘密があって、毎晩こっそり不思議な鏡に向かって話しをしていたのです。
「鏡よ鏡、教えておくれ。この世で一番美しいのは誰だい?」と。
すると、今までは『はい、それは貴方さまです。』と答えていたのに、最近は『それは貴方様ではありません。貴方の娘、中将姫です。』と答えが返ってくるのでした。
おそらく鏡の声は、中将姫の美しさに対する妻の嫉妬心から出たこころの声だと思われるのですが、この新しい妻は許せませんでした。
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「中将姫め!あの子が居なくなれば、この世で一番美しいのは私になるはず!」と、夫が出張で遠方に出かけた後、妻は家来に命じて、
「あの娘を遠くの山まで連れて行って、殺しておしまい!・・この毒リンゴを使って・・ではなく、この太刀を使って!」と言って、一本の刀を渡したのでした。
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家来と中将姫は「遠くの山で薬草を取りに参りましょう。」という名目で草深い山の奥に入って行ったのでした。
※(余談ですが、中将姫は薬草マニア、いや薬草研究家博士ちゃんであったとか?これがのちの『中将湯(とう)』という薬の名になったそうです。さらに、お風呂に入れる薬湯にもなっていきました。)
中将姫は頭の良い娘です。
すぐ、家来の様子がおかしい事に気がつきました。
そして、家来がそっと刀を抜いた時、中将姫は言いました。
「貴方は私の母の言いつけで、私の命を奪おうとしているのね。貴方は母の家来だから仕方がないわ。・・でもちょっと待ってちょうだい。私、最近『称讃浄土経』という極楽で阿弥陀様に救われるお経を毎日読んでいるの。このお経を後一回読んでから私を斬ってちょうだい。」と言いました。
 そして、中将姫はお経を読み始めました。
 その姿を見た家来は、涙ながらに「どうして、貴方様のお命を奪う事ができましょうか。」と刀を納めたのでした。
つづく
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(中将姫の墓)by奈良県葛城市

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