慈雲尊者は、59歳の時、人里を離れ、大阪は河内の山深いお寺[高貴寺]に活動の場を移されます。
そして、その寺院を[真言律宗]総本山として、神道の研究や律や禅の講義の場として開き、多くの弟子たちを育てました。
慈雲尊者は、八十七歳で、お経の講義の準備中に亡くなられました。
「お釈迦さまの時代の仏教に帰れ。」と、教えを説き、自ら質素なつぎはぎだらけの衣を纏い、庶民に優しい教えを説かれた聖僧、慈雲尊者。
今、尊者のお墓は、大阪は南河内郡河南町の高貴寺に建っています。
おしまい
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紙芝居:「慈雲尊者(じうんそんじゃ)」(その6:最終回)
紙芝居:「慈雲尊者(じうんそんじゃ)」(その5)
又、慈雲様が、その著作『十善法語(じゅうぜんほうご)』の中で、人間として生きる基本的な十の戒めを示しておられます。
一つ、不殺生(生き物を大切にする)
二つ、不偸盗(盗まない)
三つ、不邪淫(不倫をしない)
四つ、不妄語(うそをつかない)
五つ、不騎語(無駄話をしない)
六つ、不悪口(悪口を言わない)
七つ、不両舌(二枚舌を使わない)
八つ、不貪欲(むさぼらない)
九つ、不瞋恚(うらまない)
十、不邪見(ひがまない)
以上が『十善法語』の中の「十善戒」、十の良い戒めです。
慈雲様は、『直心是(これ)道場』、「素直な心を保つ生活の場こそが、自分を鍛える道場そのものである」と、判りやすい言葉で、万民に仏法を説かれました。
この十善法語は、信用第一の大阪商人のバイブルとして、「片手にそろばん、片手に十善法語」と、ナニワ商人としての心意気として、引き継いでゆくことになりました。
つづく