住職のつぼやき

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紙芝居:「播州の宇右衛門さん」(その2)

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ある日、宇右衛門さんは『ああっ退屈じゃ、ケンカの相手でも探そうかのう』と、(たちの悪いやっちゃのう)、姫路の大寺の縁にドカッと座っていました。
 その時です。
 本堂から、お説教が聞こえてました。
「・・仏法を聞くとは、ただ聞けば良いというのではないのじゃ。幾度もいくども、自分の事として、仏様の真心を、南無阿弥陀仏のいわれを聞く事なのじゃよ・・」と。
 この時、どういう訳か?宇右衛門の心が動きました。
『そうじゃ、ワシも南無阿弥陀仏のいわれを聞かせてもろて、生まれ変わろう・・。』と。

 ・・余談ですが、おそらく宇右衛門なりに?心の中の(自分は生まれ変わりたい!という)大きな悩みが(日頃から)あって、この時ビビッと何かを感じたのかもしれません・・。僕自身、この時、宇右衛門さんにどんな心境の変化があったか調べてみましたが、はっきりとは解りませんでした。信仰心の篤かった母親の影響もあったのかも?
 でも、この時から、なぜか?宇右衛門さんは生まれ変わるのです。
 お寺参りを繰り返し、繰り返し、お説教を聴聞しまくり、お念仏を称え、やがて熱心な念仏信者に変わっていったのです。 
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 別人のようになった宇右衛門さん。
 仏壇に手を合わせ、朝早くから熱心に働き始めました。 
 ある日、宇右衛門は暑さの中、水車を熱心に踏んでいました。
 すると、ある若者が、それを見てからかいました。
「こう暑い日ばかりで、さぞ、大変じゃろう」と。
 すると、宇右衛門さんは
「お天気が続いてくださるので、物が良く実ってうれしいことじゃ」と。
 ・・宇右衛門さんは、雨の日にも風の日にも、雪の日にも愚痴を言わず、感謝の言葉しか言わなかったそうです。(ほんまに生まれ変わりはったんやねぇ・・)
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(浄因寺様の近くに建つ、立派な[宇右衛門]さんのお墓)
 つづく

紙芝居:「播州の宇右衛門さん」(その1)

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 純粋な信仰心のレベルの高さにおいては、飛びぬけた境地にある人・・。
 それを妙好人(みょうこうにん)といいます。
 江戸時代中期の播州(今の兵庫県:姫路)に生まれた宇右衛門(うえもん)さんも、その一人です。
 宇右衛門の家は、代々のお百姓さんでした。
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 ・・が、宇右衛門はまじめに働かず、若い頃はケンカやバクチに明け暮れていました。
 ある日・・、
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 宇右衛門さんは、殺生を禁止されていた川で、ひそかにカニを捕っていました。
 それを見つけた檀那寺の『浄因寺(じょういんじ)』の住職さんは、自分の下駄を脱いだかと思うと、いきなり、宇右衛門の頭を一撃!
 ころがって川に落ちる宇右衛門さん。
 バイオレンスなこのご住職は、網の中のカニを逃がすと、静かに去っていきました。
 「おのれ、クソ坊主!」と宇右衛門は、家に帰ってこん棒を持ち出し、お寺に殴り込もうとしましたが、
 その時、母親が「お寺の住職なればこそ、お前の後生を憐れんで、厳しく叱ってくれたんだぞ!」と、泣いて止めました。
 それを聞いて、さすがの宇右衛門さんも、「・・わしが悪かった。」と反省したそうです。
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(宇右衛門さんがカニを捕っていた川。ここで一撃!)
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(愛の下駄の一撃をくらわせた住職のお寺『浄因寺』様 左に宇右衛門さんの銅像が見える)
 つづく

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