住職のつぼやき[管理用]

記事一覧

※画像をクリックすると拡大されます。

紙芝居:「ダム湖に消えた村~滝畑地区のおはなし~」(その1)

ファイル 1253-1.jpg
 大阪府河内長野市の南西に位置する『滝畑(たきはた)』地区。
 そして、この村の中心にある『滝畑ダム湖』。
 この湖は、山の下の町の飲料水確保の為、又、洪水防止の為などに、大阪府が九年間掛けて工事をし、人工的に水を溜め、造ったダム湖なのです。
 その為に、79戸の家や畑・山林などが、湖の底に沈みました。
 それでは、この『ダム湖に消えた村』のお話を聞いて頂きましょう。
ファイル 1253-2.jpg
 滝畑地区は、現在『奥河内(おくかわち)』と呼ばれ、大阪の観光地の一つとなっています。
 ここ、光滝寺キャンプ場もそのひとつ。
 毎年、真夏には、川遊びやキャンプなどを楽しむたくさんの観光客で賑わいます。
 そして、この日も・・、

(若い父親)「おーい、一杯遊んだし、お腹も満腹や。そろそろ帰るぞー。」
(子供たち)「はーい。」

 一組の親子が、キャンプ場から帰るしたくをし始めました。
ファイル 1253-3.jpg
(子供)「パパ、見て見て、あの人。・・湖に向かって手を合わせているよ。・・へんなお爺ちゃん。」
(父親)「・・うん、そやなぁ。誰か亡くなったのかなぁ?ちょっと聞いてみよか?」
(子供)「聞いてみよ、聞いてみよ!」

 こうして、この親子は、滝畑の湖に手を合わす一人の老人に尋ねてみることにしました。

(父親)「ちょっとお尋ねしますが、お爺さんはどうして、この湖に手を合わせてはったんですか?」

(お爺さん)「うん?・・あぁ、あんたらはキャンプ帰りのお客さんかい。どうして、わしが手を合わせておったんかって?・・それはなぁ、ちょっと長い話になるけど、ええか?」
(子供)「うん、聞かせて、聞かせて!」
ファイル 1253-4.jpg
(お爺さん)「わしが手を合わせておったんのは、誰かがここで亡くなったからとは違う。この湖の底に沈んだ、わしの出た小学校や、わしの友達の家や畑を思い出して、ええ思い出を一杯有難うっていう気持ちで、合掌しとったんや。」

(母親)「えぇ⁈ お爺さんの故郷は、この湖の底にあるのですか?」
(子供たち)「それって、ほんまなん⁈」
 
(お爺さん)「あぁ、ほんまやで。・・その話をする前に、ここの村の伝説から話すわな。」 つづく

蠟梅の香り

 ファイル 1252-1.jpg
このブログにもよく登場される『ひまわり娘』さんから頂いた[蠟梅(ろうばい)]のつぼみが開きだした。
 春は近いのだ。
 ・・それはスイセンのような香りで、今お寺の庭を良い香りでつつみこんでくれている。
ファイル 1252-2.jpg
 一説によると「まるで蝋細工のような美しい花びら」から、この名前がついたそうだ。
 うちの寺の小さな庭のベンチに座って、この花を見て、(人工的でない)この香りをかいでいると、気持ちが幾分ホッとする。
 改めて言う、ひまわり娘さん、有難うございました。合掌

上に戻る