住職のつぼやき[管理用]

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回る!霊柩車

 おととい、2年ぶりにお寺で「お葬式」を執り行った。(今は、〔葬儀会館〕を使用される方がほとんどなので・・)

 それで、〔お葬式〕が終った後、霊柩車・ハイヤー・マイクロバス等は、近くの(約10分ぐらいの)斎場(焼き場)に向かって出発するのだが、・・この時、村を大回りして〔斎場〕まで向かうのだ。(約30分ぐらいは掛かる)
 なぜ、わずか10分程の道のりを、遠回りして行くかというと、「死者を道に迷わせ、家に帰って来れなくする為」らしい・・。
 だから、帰りも、又違う道から帰ってくる。
 僕は、最初〔葬儀屋さんのハイヤーのメーター増大作戦なのか?〕と、不謹慎なことを思っていたが、どうやらこれは、うちの村ではずっと昔から、続いている習慣(習俗)らしい・・。
 でも、よく考えてみたら、長年、この村で暮らしていた故人が、はたして、こんな事で道に迷うのだろうか?
 僕なら、(遠回りしようが)ぜったい帰って来れると思う・・。
 この日、お葬式を執り行った、故・お爺ちゃんも、けっこう出好きで、単車であちこち走り回っておられたので、道にはくわしく、おそらく、この風習は、まったく無駄になっているような気がせんでもない・・。
 又、死者がなぜに、家に帰って来たらあかんのかという事も疑問だ。(僕なら是非帰って来てほしい!・・まぁ、お浄土に往ってしまう為、ダメかもしれんが・・。)

 まぁ、(21世紀の)今でもこのような習慣が続いているということを、僕は今日言いたかった。
 最後に・・、斎場からの帰り、ハイヤーから突然顔を出された喪主さんが、自分の息子さんに「(お爺ちゃんに、この世に未練を持たせたらあかんから、〔善意の気持ちで〕)帰りはおまえ、違う道から還って来いよ!」と、大声で言われたことが、僕の耳に(複雑な気持ちで)今も強く残っている。
 22世紀までには、このような習慣は消えて欲しいものだ。
 

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