住職のつぼやき[管理用]

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今年の「紙芝居創作合宿」

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 今年で〔9回〕目となる「観念寺:紙芝居創作合宿」が、今年も9月11・12日の二日間に渡って、自坊で開催した。
 今年の作品は、枚方のドクター南ホスピス医師が、『死にゆく喜び』を云う作品を、わずか二日間で完成された。(あいかわらず、僕は作るのが遅く、例の『地獄のはなし』・『極楽のはなし』は、まだ完成さすことが出来なかった・・。トホホホ)
 さて、このドクター南師の作品であるが、奇想天外な内容の作品で、ちょっとだけその内容を述べると・・、
 一羽の〔モンシロ蝶〕の《シロ子》ちゃんが、仲間の蝶《モン太》君と不倫の恋をして、卵を内緒で生むのだが、途中に蜘蛛の巣に引っ掛かって、大怪我をしてしまい、それが元で死んでしまう。・・が、生前《モン太》君が、たいへん尊敬する《日蓮大聖人》が、《太陽》となって現れ、あの世からお迎えに来て下さり、《シロ子》ちゃんは思わず、「ナムミョウホウレンゲキョウ!」と称え、天国へ無事に到着し、虫ゆえに、一度も顔を逢わせた事のなかった亡き両親に対面でき、幸せに過ごす事ができた、・・というお話である。

 ・・さて、ナムアミダブツの僕のお寺の中で、ナムミョウホウレンゲキョウの日蓮さまがお救いになる!、そんな『紙芝居』を作ろうという、その神経そのものが、不思議でオモロイのだが(僕もその画像に協力したが・・〔笑い〕)それには理由がある。
 在宅ホスピス医:ドクター南は、今、『日蓮宗』のお寺の住職をご子息に持つ、末期がん患者の一人のお婆さんの担当医をしている。
 週に二回、南師が往診に行く中、毎回必ず、(南師は)往診前に御仏壇に向かって、「ナムミョウホウレンゲキョウ」と大きな声で称えるらしい。(ちなみに、南師の家は、代々《浄土真宗》で、寺の総代もやっておられた。〔笑い〕)すると、その末期の母親は(痛みの中でも)たいへん喜ばれるらしい。
 心から、そのご母堂は《日蓮》様を尊敬されて、死後、日蓮様に逢う事だけが、今の楽しみらしいのだ。
 ドクター南師は、この「紙芝居」を次回、往診の時に持って行って、枕元で演じたいとおっしゃっておられた。
 きっと、そのガン末期のご母堂さんは、その作品を見て、自分の人生と重ね合せながら、『死にゆく喜び』を感じられるに違いないであろう・・。

 

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