住職のつぼやき[管理用]

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僧侶とは?~二つの大切なもの~

『お寺の住職は、ご門徒(信者さんのこと)に育てられていく』という話をよく聞きますが、拙寺にはまさにそのお手本のような方がおられます。ご主人を亡くされたのがご縁で、お参りに伺うようになって7年。ご門徒のMさんは、「あんたを息子のように思える」と若輩の私を一人前の僧侶に育ててくれようとする温かい思いが言動の端々に伝わってきます。個人的なことで色々と悩んでいた、そんな若僧の私の表情を察して、声を掛けてくださったことが忘れられません。近年は足腰が少し不自由になられましたが、そのぶん言葉で私を支えてくださっています。
「僧侶という者は二つの大切なものがあると思います。一つは威厳。もう一つは親しみやすさ。これが大事やと思います。私がもし悩んでいる時には威厳をもって力づけて欲しい。又反対のような言葉やけど、何でも話せる親しみやすさも欲しいのですよ。」と。
私はご門徒さんのこのような言葉を、あたかも仏さまの光明が衆生を照らして育ててくださる摂取のお働きとも思えるのです。大変尊い仏縁です。このお言葉を胸に、これからも法務に『出前』にがんばりたいと思います。

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