天上から降りて来られた〔仏様〕はおっしゃいました。
「これ、閻魔殿や。そなたに申したき事があり、参ったぞよ」と。
閻魔様は『ハハーっ』とひれ伏しました。
「閻魔殿、そなたの《エンマ帳》と、私の持つ《ホトケ帳》の中身が、少し違うようなのじゃよ。・・・というのはな、先程の〔オバマ〕、ちゃうちゃう〔お婆〕の事じゃがな、生前のお婆の〔仏の功徳〕が、私の帳面には『毎日、お経を読み続け、仏の功徳をたくさん積んだ善き者』と記されておるのじゃ。」と〔仏様〕は言われました。
それを聞いて〔閻魔様〕は・・、
「恐れ多きことなれど、仏様。・・あの〔お婆〕、毎日、お経は読んでおりますが、一向に心が籠っておりません。
きっと毎日、うたた寝でもしながら、お経を読んでおったのでございましょう。・・ですから、この《エンマ帳》には記録されていなかったものと思われます」と答えました。
すると〔仏様〕は・・・、
「その通りじゃ、閻魔殿。
しかし、そのような信心の者でも、毎日、毎日、毎日、毎日、お経を読み続けておったればこそ、カミナリが落ちた『いざっ』という時、仏にすぐに心を向ける事が出来たのじゃよ・・。
私の《ホトケ帳》には、そのような信心の者でも、すべて記録されるのじゃ」
「閻魔殿、どのような者でも、毎日、毎日、一心不乱に拝み続けるというのは難しい事じゃよ。
時には心が籠らず、拝む日もある。
しかし、そのような信心でも良いのじゃ。・・要(ヨウ)は日々、信心を持ち続ける事が大事なのじゃよ。
それがいつしか〔誠〕の功徳となってゆく。〔仏の功徳〕とは、そういうもんじゃ。
おお、そうじゃ。閻魔殿、私の《ホトケ帳》をこれからそなたに預けることにしよう。
私の《ホトケ帳》とそなたの《エンマ帳》。これよりこの二冊をじっくり照らし合わせて、人間の〔地獄〕行き・〔極楽〕行きを決めてくれんか?」と、そう言って〔仏様〕は閻魔様に《ホトケ帳》を手渡されました。
「はは~、かしこまりました」と、《帳面》を頂き、閻魔様は深々と頭を下げられました。
そして天上にお帰りになる〔仏様〕を、いつまでも、いつまでも見送られたという事です。 めでたし、めでたし~ おしまい
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紙芝居:『閻魔様のエンマ帳』 〔後編〕
紙芝居:『閻魔様のエンマ帳』 〔前編〕
昔、むか~しのお話。
ある所に一人のお婆さんが住んでいました。
このお婆さんは、自分が死んだら〔極楽〕に往けるように、暇さえあれば〔お経〕を上げる日々を送っていました。
さて、そのお婆さんも年を寄り、やがて寿命尽きて、安らかに往生しました。
・・・気がつくと、お婆さんは閻魔(エンマ)大王の前に立っておりました。
そして、閻魔様はお婆さんに向かって、
「よく来た、お婆。これよりお前の生前の〔仏の功徳〕を調べる。・・功徳があれば、お前を〔極楽〕へ送る。しかし、もし無ければ〔地獄〕へ行ってもらうぞ。よいか!」と言いました。
そして閻魔様は、一冊の分厚い帳面を取り出して言いました。
「これは《エンマ帳》といってな、お前が生きている間に積んだ〔仏の功徳〕がすべて書かれてある。これを読めば、お前の事が全部判るのじゃ。ふ~む、・・何々・・」と、閻魔様はお婆さんの記録を調べて、やがて口を開きました。
「お前は、ちっとも〔仏の功徳〕を積んでおらん。ゆえに〔地獄〕行きじゃ!」と・・。
それを聞いてお婆さんはびっくり!あわてて閻魔様に詰め寄ると、「閻魔様、私は暇さえあれば〔お経〕を上げておりました。・・どうか、今一度調べ直して下さいませ!」と訴えました。
それを聞いて閻魔様は、もう一度じっくり《エンマ帳》を調べる事にしました。
すると・・・、「お前は一度だけ〔仏の功徳〕を積んでおる。え~と、この日は〔大嵐〕でカミナリが鳴った日じゃ。お前はカミナリが鳴った時・・、」
「必死で《仏様》に『助けてくだされー!』とお願いし、〔お経〕を上げておる。この日の事だけが〔記録〕されておるわ。・・まぁ良いわ、この日の〔功徳〕によってお前を〔極楽〕行きとする!」
お婆さんは「はぁー、良かった」と安堵し、無事、〔極楽〕に行く事が出来ました。
めでたし、めでたし・・・、と言いたいところですが、実はこの話には、まだ続きがあるのです。
・・というのも、この《裁判》の一部始終を見ておられた〔仏様〕が、天上から急いで降りて来られて・・・、
〔後編〕へ続く・・。
紙芝居:『閻魔様のエンマ帳』 (プロローグ)
『閻魔様のエンマ帳』(プロローグ) 〔仏教もの29〕
〔プロローグ〕
閻魔(エンマ)様のインド名は《ヤマ》といい、人類最初の人間であった。
《ヤマ》は、天界に楽土を作り、そこの王様として平和に暮らしていた。
ある日、そこに大勢の人間がやって来て楽土の平和を乱した。
《ヤマ》は、それ等人間に対して秩序を訴えたが、誰も女性のような柔和な顔の《ヤマ》の言うことなど聞かなかった。
そこで《ヤマ》は考えた。
自分の顔を恐ろしく作り変える事によって、悪人どもを従わせようと・・。
やがて、お堂に籠り、鏡の前で化粧をして、さらに訓練し、恐ろしい顔に変わることが出来た。
それからというもの、誰も《ヤマ》に逆らおうという者はいなくなった。
そして《ヤマ》は、地下に〔地獄〕を作り、罪を犯した者を送り込む《裁判官》に自らなろうと決心した。(屈折した性格のお方・・やねぇ)
・・やがて〔地獄〕は完成し、《ヤマ》は〔天の王国〕を捨て、〔地獄の王〕となり、罪人を裁く《大王》となったのである。
つづく・・・
紙芝居:『すべてのものは仏さま』 (仏教もの22)
紙芝居:『すべてのものは仏さま』 《シュリ・ラーマ・クリシュナの説話より》
昔むかしのインドのお話。
森の中に一人の偉~いお坊さまが居られました。
そのお坊さまにはたくさんのお弟子さんが居られ、毎日熱心にお説教をされていました。
ある日、そのお坊さまはお弟子さん達に言われました。
「お前たち、よく聴きなさい。この世のすべてのものは仏さまが〔変身〕されたものなのだよ。だから、犬でもトラでも狼でも、すべてのものは仏さまの仮の姿なのじゃ。お前たちは、すべての生き物を仏さまだと思って尊ばねばいけないよ。それが修行じゃ。」と。
その教えを聴いたひとりの若いお坊さんが、・・次の日、町に托鉢に出ました。
そのお坊さんは「お師匠さまは、すべての生き物は仏さまだとおっしゃられた。私はどんな生き物にも手を合わせて拝むことにするぞ」と堅く誓って、出逢う生き物すべてに合掌し歩き続けました。
その時、突然・・、
「おーい、みんな逃げろ!気のおかしくなった象がこちらに走って来るぞー!」と町の人が叫びました。
その声を聞いて皆逃げ出しました。
・・が、この若いお坊さんだけは「気がおかしくなった象でも、やはり仏様の変身されたお姿に違いない。なぜ逃げる必要があろう」と思い、向かってくる象に向かい合掌し続けました。
その爆走する象の後ろで、象使いが「早く逃げろ!踏み殺されるぞー!」と必死で叫びました。しかし、彼は逃げません。
そして「パァオーン!!」と・・、
その象はお坊さんを跳ね飛ばして走り去って往きました。
そして頭を打ち、気を失ったお坊さんは、やがて町の人に介抱されるとお師匠さまのお寺へと運ばれました。
幸い怪我はたいした事ありませんでした。
やがて、気がついたお坊さんに、先輩のお坊さんが尋ねました。
「君はどうして、逃げなかったのだね?」と。
すると、若いお坊さんは「はい、すべての生き物は仏さまの化身だと教えて頂きましたので、狂った象も〔仏さま〕だと思って逃げなかったのでございます」と答えました。
それを聞いてお師匠さまは言われました。
「そうだ。お前の言う通りじゃ。象の仏さまが走って来られたのは本当だ。しかし、〔象の仏さま〕の後ろから、〔象使いの仏さま〕がお前に危険を知らせたであろう。すべてのものが仏さまだと考えるなら、なぜお前は、そこで〔象使いの仏さま〕の言葉を聴かなかったのか!お前はあの時〔象使いの仏さま〕の声に耳を傾けるべきだったのだよ」と・・。
その言葉を聴いて、若いお坊さんは心の底から『その通りだ!』と思いました。
「私は狂った象の仏さまばかりに気をとられ、象使いの仏さまの声が聞こえてなかった。私の心は偏っていた。・・すべての生き物が仏さまなら、狂った象の仏さまの声も聞き、象使いの仏さまの声も聞くべきだったのだ」と思ったのです。
それからというもの、このお坊さんは自分の見聞きするすべての仏さまの声を平等に聴いて、やがてりっぱなお坊様になられたという事です。 おしまい
紙芝居:『源信さまと地獄・極楽の話〔往生要集より〕』第2部~その4~
オスカル:「あぁ、花が降り、白鳥や孔雀が歓喜の歌を唄い、天人は音楽を奏でる。そしてありとあらゆる宝石でできた世界、満ち溢れる光、そして善意だけの人々・・ここは私たち少女マンガの世界!そう、ここが我らの国なんだね、アンドレ!」
源信僧都:「何をごちゃごちゃ言うてまんねんなぁ。ここは《ベルバラ》の世界と違いますよ。《極楽浄土》でんがなぁ。さぁ帰った、帰った・・。
いやぁ皆さん、どういう訳か、おかしなお客さんが先に来てはったみたいで・・すんません。さぁ、いよいよ今回が最終回。《極楽世界》をご案内致します。
それでは『極楽世界』に往く前に、(まず極楽浄土には『浄土の十楽』という楽しみがありまして)その一番目の『楽』をまず御見せしましょう。」
〔聖衆来迎(ショウジュライゴウ)の楽〕
まずは極楽への行く為の(楽チン)な楽しみ、〔聖衆来迎の楽〕という『楽』が一番目にございます。
これは、〔念仏〕によって功徳を積んだ者が、その臨終の時、大きな喜びに包まれて、多くの〔菩薩〕様たちがお迎えに訪れ、極楽へ導いて下さるという『楽』なのでございます。
では、ご一緒にワープいたしましょう。
さぁ、着きました。もう、ベルバラ組はいないようですね。
では、極楽の簡単な説明を『往生要集』より致します。・・オッホン!『ここは、こよなく楽しく美しい世界。ここに生まれ変われば、身体は紫金に輝き美しい衣に包まれる。老・病・死の苦しみもなく、食べ物には不自由しない。そして四季を通じて快適な世界である』
どうでしょう。素晴らしい所の様ですね。それでは、後の『楽』を抜粋してご説明致します。
二、〔蓮華初開の楽〕 (極楽に生まれる時は清らかな蓮華の中に生まれる楽)
三、〔身相神通の楽〕 (美しい姿に生まれ、神通力を得る楽)
四、〔五妙境界の楽〕 (色・声・香・味・触の感覚にすぐれる楽)
五、〔快楽(ケラク)無退の楽〕 (極楽の楽しみがずっと続く楽)
六、〔引接結縁(インジョウケチエン)の楽〕 (家族・友人等を極楽に生まれさせる力が与えられる楽)
七、〔聖衆倶会(ショウジュクエ)の楽〕 (菩薩様たちと友人関係が結べる楽)
八、〔見仏聞法の楽〕 (阿弥陀様に直接礼拝ができ、その教えを直に聴く事ができる楽)
九、〔随心供仏の楽〕 (極楽に生まれた喜びを様々に表現できる楽)
十、〔増進仏道の楽〕 (果たせなかった《悟り》がここで到達できる楽)
・・・以上でございます。
どうですか?皆様、『超・嬉しい』世界でございましょう!・・えっなんですって、『なんにも言えねぇ』と。まぁ、あなたにも《金》に輝く生霊が降臨したようでございますねぇ〔笑〕
それでは、長い長い旅もこの辺で終ると致しましょうか。」
「では皆様、お元気で!いつか又、極楽でお会いしましょうね!!」 おしまい
紙芝居:『源信さまと地獄・極楽の話〔往生要集より〕』第2部~その3~
源信僧都:「・・さてっ皆さぁん(浜村Jun風に読む)、もう少しだけぇ《地獄》めぐりに御付合い下さぁい。・・昨日のブログを読んで頂いた方は、もうすでにお解りだと思うのですが、『地獄』というのは《罪》が一つ増えるだけ、さらに下の世界に落ちねばならないのですね。そのこと、合点して頂けましたでしょうか?〔ガッテン!〕・〔ガッテン!〕(立川sino輔風に読む)有難うございます。・・今日はどうやら私に色んな(生き霊)が降りて来るようです。〔笑〕・・では続きに参りましょう。」
〔大叫喚地獄〕
「第五番目は〔大叫喚地獄〕でございます。
ここは、〔これまでの罪〕プラス〔嘘をついた者〕が落ちる地獄です。ここで〔罪人〕は手足の自由を奪われ、金バサミを持った鬼によって、その舌を引き抜かれるのでございます。そしてこの時も同じように、抜かれても抜かれても、新しい舌が生えてきて、この刑が執行され続けられるという事です。・・そういえば、昔「嘘ついたら〔閻魔さん〕に舌抜かれるでぇ」という言葉が出回った様ですが、実は刑の執行者は〔閻魔さん〕ではなく、〔鬼〕だったのですね。」
〔焦熱地獄〕
「いよいよ、この地獄も終盤に差し掛かりました。六番目の地獄は〔焦熱地獄〕でございます。
ここは、〔これまでの罪〕プラス〔間違ったイデオロギーを信じ、宣伝した者〕が落ちる地獄です。
ここでは、肛門から頭の先まで〔鉄串〕で刺し貫かれ、地獄の業火であぶり焼きにされるのです。まさに〔焼き鳥〕ならぬ〔人間の串焼き〕です。
〔大焦熱地獄〕
「第七番目は〔大焦熱地獄〕です。
ここでは〔これまでの罪〕プラス〔修行者に乱暴を加えた者〕が落ちる地獄と云われています。・・皆さん、修行者を見かけたら大事にしましょうね!修行者に愛を!貧乏な修行者には同情するより〔金〕をやれ・・いかん、いかん、又変な生霊に憑依される所だった!〔笑〕
ここは一面の火の海で、その中に〔罪人〕たちは投げ込まれ、炎の中で泣き叫びながら無限に焼き続けられるという地獄です。
それでは、いよいよ最後の地獄を見てみましょう。」
〔阿鼻地獄〕
「ここが一番底の地獄、〔阿鼻地獄〕です。この〔阿鼻(アビ)〕とは、古代インド語で「絶え間のない」という意味で、ここは別名〔無間地獄〕とも呼ばれています。
ここは〔これまでの罪〕プラス〔生きていた時にありとあらゆる罪を犯した者〕が落ちる地獄と云われています。
ここは、炎・炎・炎、すべてが燃えています。ここの罪人達は、〔巨大な火の玉を吐く大蛇〕や〔数限りない毒虫〕、そして〔火を吐く巨大な犬や鬼〕(円谷プロの特撮の世界みたい)に取り囲まれ、絶え間なく、責め続けられるという事です。
・・・さぁ、いかがでしたか? 『いやぁ本当に地獄って怖いもんですねぇ!』 おっと最後に(水野晴O)氏の霊が降りてきて一番おいしいトコを持っていきましたねぇ。
さて、これで《地獄めぐり》の旅は終わりでございます。・・それでは、次回は一気に《六道世界》を越え、皆さんを《極楽世界》へとご案内いたしましょう。 つづく」
紙芝居:『源信さまと地獄・極楽の話〔往生要集より〕』 第2部~その2~
源信僧都:「はい、又皆さん、お会いしましたね~。今日は、怖い、怖い、怖い、怖い、地獄めぐりを致しますよ~。はい、このねぇ『往生要集』というのは「(極楽に)往生(する為の)要(文を)集(めたもの)」という意味なんですねー。なぜか私に《淀川長治》氏の霊が憑依したみたいねー。怖いねー。はい、この作品は私の44才の時の作品です。では、皆さん、地獄へ参りましょう!」
〔等活地獄〕
「地獄は全部で《八つの世界》に分かれております。解り易く喩えたら、地下八階まである〔地獄デパート〕だと想像してみて下さい・・。
その地下一階が〔等活地獄〕です。
ここは、殺生をしたものが落ちる地獄でございます。
ここに落ちた罪人は、相手を殺さねば自分が殺されるという猜疑心の虜になり、人を見れば誰彼かまわず襲いかかり、お互い殺し合います。しかも皆の爪が〔鉄〕になっている為、互いに切り裂き合い骨だけになってしまうのです。
しかし、死んでも涼しい風がどこからともなく吹いて来て、又蘇り、元の姿になって又殺し合いを繰り返すのです。これがこの地獄の特徴なのです。怖いね~。では下に参りま~す」
〔黒縄地獄〕
「第二の地獄は〔黒縄地獄〕です。
この地獄は、〔殺生〕プラス〔盗み〕を働いたものが落ちます。
ここは〔獄卒〕と呼ばれる鬼達が、墨縄(スミナワ)で罪人の身体に碁盤の目の線を引き、その線に沿ってノコギリでズタズタに切り刻むのです。こうして罪人の身体はサイコロ状になってしまいます。
すると又、例の涼しい風が吹いて来て、肉片に掛かり元の身体に戻り刑が再び執行されるのです。この苦しみが何度も何度も繰り返されるという事です。」
〔衆合地獄《刀葉林》〕
「その下の地獄が〔衆合地獄〕です。ここは〔殺生・盗み〕プラス〔邪な淫らな行為(不倫)〕をしたものが落ちます。
ここの地獄の一つに《刀葉林(トウヨウリン)》という所があります。
地獄の鬼たちは、罪人達を《刀の葉をした林》の中に放り出します。すると、その中の一本の大きな木の頂上に美しい〔松島ナナ子〕さん似(?)の女性が立って居て、罪人達を誘惑します。(女性の罪人の場合は〔キムタク〕が立っていて誘ってくれると思って下さい。・・別に〔ヨン様〕でもかまいません) 男の罪人たちは、我先にその女性を捉まえようと、刀の葉で切り刻まれながら必死で「ナナ子ー!」と言って登ります。・・が、頂上に着いた時、ナナ子さんは(キムタクでも良い・・もうエエか〔笑〕)は地上に居て、又誘惑するのです。こうして、罪人達はいつまでも身体を切り刻みながら血だらけになってその木を登ったり降りたりするわけです。ここは欲情ゆえにその苦しみが繰り返される地獄なのです。」
〔叫喚地獄〕
「第四番目は〔叫喚地獄〕といいます。ここは、〔衆合地獄の罪〕プラス〔お酒に溺れて生活を乱したもの〕が落ちます。
・・・あっちょうど《刑》が始まったようです。見てみましょう。ここは、〔牛頭(ゴズ)〕と〔馬頭(メズ)〕という鬼たちが、罪人を縛り上げ「さぁ、もっと大きな口を開んかー!」と言って、お酒の代わりに沸騰した《銅汁》を流し込むのです。ああ、惨くて見てられません!・・・今日の所はこの辺で終るとしましょう。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ・・ つづく」
紙芝居:『源信さまと地獄・極楽の話〔往生要集より〕』 第2部~その1~
(仏教もの23)
源信僧都(ソウズ):「皆様、こんにちは。私は平安時代の僧侶で名を《源信(ゲンシン)》と申します。
これから全四回に渡り、私の書きました『往生要集(オウジョウヨウシュウ)』という本を紐解き、《地獄・極楽》の旅を皆様とご一緒に楽しみたいと思います。
尚、最初に一言お断りしておきますが、私はやたら人を怖がらす為にこの本を書いたのではございません。そんな変な趣味は、このブログの作者と違ってありません。
私は《念仏》を称えるという一つの方法によって、このような地獄には往かせず、必ず極楽へ皆様を生まれさせたいと願ったからなのでございます。そこんとこ、よろしく!・・ああ、これは昭和のギャグでございましたね。しっつれいしました!・・ああ、これは吉本の漫才師のギャグでございましたね。・・何、「もうええから先へ行けと」とわかりました。それではまず『地獄』へ向かう前に《輪廻(リンネ)》のことからお話しておきましょう。」
「《輪廻》とは、仏教が生まれる以前からあったインドの考え方で、〔人が亡くなっても、又違う世界に生まれる〕という考えでございます。
その世界を下から順に言いますと〔地獄界〕・〔餓鬼界〕・〔畜生界〕・〔修羅界〕・〔人間界〕・〔天界〕の六つを言います。すべての命は、この六つの世界のどこかに生まれ、亡くなれば(生前の行い)によって、又どこかへ生まれる--という思想です。
皆様は、『〔天界〕に生まれる事が出来たらラッキーじゃないか』とお考えかも知れませんが、〔天界〕でも《死》が来て又別の世界に生まれなければならないのです。
ですからこの《輪廻》という〔輪〕から脱出するには、〔欲〕を断ち切った世界である《第七番目》である『極楽世界』へ行くしか方法がないのです。そこに行けば、もう《輪廻》で苦しむことはないのです。・・これが、甚だ簡単でございますが《輪廻》という考え方なのです。
それでは、もうプロローグはこのへんにしまして、『地獄』へとご案内致しましょう。・・えっ何、『長いからもうこのへんにして〔つづく〕にしろ!』とハイハイ、このブログの作者が疲れたようでございます。・・最近、この作者、お葬式が続いてヘバッテルようなのでございますよ。ひ弱な奴でございますねぇ・・。私なんぞ、比叡山でどれ程厳しい修行をしたか!・・何、もうそれはエエって、それでは、今回はこの辺で・・つづく」
紙芝居:『源信さまとお母さん』 第1部 (後編)
(前回からの続き~)
『源信』さまは、お母さんからの手紙を読んで「あっ」と驚かれました。なんとそこには、次のように書かれてあったのです。
「源信へ あなたは〔天皇〕様に褒められたとか、位が上がったとか、という事を自慢げに思っているようですが、それは私にとって嬉しいことではありません。本当に偉いお坊さんとは、迷っている人や苦しんでいる人に、仏様の教えをしっかりと伝える人だと思っています。記念の《布》は入りませんからお返しします。どうか私のような年取った者が、安心して死んでいけるような教えを説くお坊さんになって下さい。それが母の願いです。 母より」
とそこには書かれてありました。
これを読んで『源信』様は、ポロポロ涙を流して泣きました。(エエおかんやなぁ・・)
そして「お母さん、有難うございます。私が間違っておりました。私にとって《お母さん》こそ、お師匠様です。よく教えを守ってしっかりやりますので、どうかご安心下さい」と、『源信』様は心に強く誓いました。
そして早速、比叡山の更なる山奥である〔横川(ヨカワ)〕という所に閉じこもり、(母の死を機縁に〔横川〕に隠遁したと言う説の方が有力ではある)真剣に仏様の道を求めました。
こうして『源信』様は、更に徳の高いお坊さんになっていったのでした。
それから何年かが経ち、ある日、お母さんが《危篤》との知らせが届きました。
『源信』様は居ても立ってもいられなく、急いで山を降りて故郷へ向かいました。
家に着いた『源信』様は、やせ細ったお母さんの手を握り締め、《念仏》を称えることを勧めました。
声にならない母の《念仏》と、『源信』様の《念仏》の声は、互いに共鳴し合い、そこに静かな安らぎの場が生まれました。念仏を共に、繰り返し繰り返し称え、そしてやがて夜明け前に、お母さんは静かに息を引き取りました。
『源信』様は「私はお母さんとの《ご縁》が深かった。だからこうして死に目にも会うことができた。これ程嬉しいことはない」と心からそう思いました。
このような体験から・・、
『源信』様は、《二十五三昧(サンマイ)式》という、現在のホスピス医療(緩和ケア)の走りともいうべき御本をお書きになり、『念仏に帰依した二十五人の仲間が毎月、日を決めて一晩、念仏を称えて、仲間の最後の時は、必ず介護・看護し看取り合う団体』=《二十五三昧会(エ)》という《結社》(秘密結社〔ショッカー〕みたいなものではない!そんなん言わんでもわかってるか〔笑い〕)をお作りになり、実践されました。
又、恐ろしい地獄や美しい極楽の様子、そして念仏往生の大切さを書かれた『往生要集』をも書かれ、遠く中国からも絶賛されました。(この『往生要集』は第2部の「紙芝居」で詳しくご紹介いたします!)
さて、お母さんの多大な影響を受け、この日本に偉大な足跡を残された『源信』様は76才でご病気でお亡くなりになります。
その最後は、ご自分の書かれた『臨終行儀(リンジュウギョウギ)』の方法そのままに、阿弥陀様のご仏像のお手とご自分のお手を〔五色の糸〕でしっかり結ばれ、念仏を称えながら亡くなられたという事です。 第1部 おしまい
〔第2部の『源信さまと地獄・極楽の話(往生要集)』へ続く・・〕
紙芝居:『源信さまとお母さん』 第1部 (前編)
オドロオドロシイ~地獄・超!美しく「何にも言えねぇ」極楽、そして《念仏往生》の大切さを説いた書物:『往生要集(オウジョウヨウシュウ)』。
これは今からご紹介する『源信(ゲンシン)』様という偉ーい(お母さん大好き!)坊さんがお書きになった書物です。
それでは、日本の『お釈迦さま』とまで言われた『源信さま』とそのお母さんのお話、はじまり、はじまり~。
(僧侶もの11)
今から一千六十年程前、奈良・大和の国〔当麻(タイマ)の里〕という所で、『源信』様こと(幼少名:千菊丸様)はお生まれになりました。
幼少の頃、『源信』様は、毎日〔二上山〕に沈む夕日をお母さんとご一緒に眺められ、「夕日の沈む向こうが《極楽世界》なのよ」というお話を、お母さんからお聴きになっていたそうです。
ある日のこと、『源信』様は不思議な夢をご覧になりました。
その夢の中で一人のお坊さんが現れ、「汝、これらの手鏡の中から好きな物を選べ!」と言われたのです。
『源信』様は一番キレイな鏡を選んだら、そのお坊さんは「それは、お前には似合わぬ。」と言い、曇った手鏡を見せて「これが今のお前には似合っている。もっと心がキレイになれば、美しい鏡が似合うであろう」と言って消えていきました。
その夢のことをお母さんにお話したら、「あなたは出家してお坊さんになり、心を磨く道を選ぶのが良いのでしょうね・・」と言われました。
こうして『源信』様は、お母さんの勧めもあり、9才で比叡山で得度し、仏弟子となったのでした。
それからというもの、『源信』様は心を磨く厳しい修行を一生懸命にされ、又、熱心に学問を学ばれ、やがて立派な学者になられました。
そして、やがて《宮廷》にまで招かれ、〔天皇〕様や〔貴族〕方に御説法をされるにまでお成りになり、『僧都(ソウズ)』という高い位まで戴かれたのです。
『源信』様は喜びで一杯です。
この事を一番にお母さんに知らせようと、ニコニコしながら故郷へ手紙を書きました。
『お母さま、天皇様に褒められて、超・高い位を戴きました。もう、何にも言えねえです。自分を誉めてやりたいです!記念の美しい布も戴きました。どうぞお使い下さい。お母さまにも、もうすぐ楽な暮らしをして戴きますからね! 源信より』と書き、そしてどんな返事が来るかと毎日楽しみに待っていました。
・・やがて、待ちに待った手紙が届きました。
その中身を読み、『源信』様は「あっ!」と叫びました。
なんと、そこには・・・。 〔後編へ続く〕
(なんじゃ、この引っ張る終り方は!〔笑い〕)
