住職のつぼやき[管理用]

記事一覧

※画像をクリックすると拡大されます。

見識あるモノの無関心

 《見識(けんしき)》=「物事の本質を見通す判断力。あるいは、それに基づくしっかりとした考え。」

『お住っさん、今の社会の中で一番〔悪いこと〕って、何やと思いますか?』
 「・・はぁ、何でしょうか?」
 『・・私は「見識あるモノの無関心」やと、思いますねん。』

 ・・これは、私と寺の総代さんとの、今日の『月参り』後の会話である。

 『お住っさん、私、〔山登り〕が趣味なん知ってはりますやろ。・・この前、金剛山に朝早くに登りましたら、山道の途中で、一人の方がしゃがみ込んではりますねん。 誰も周りに居らんかったので、私は「どうか、されましたか?」とお聞きしたら、「しんどなって、ちょっと休んでました。ありがとう」と言われ、又、ゆっくり歩き出されました。

 ・・又、違う話になりますねんけど、この前、T駅までバスで行って、切符売り場まで歩いていたら、道の途中で一人の方が、やはりしゃがみ込んでおられますねん。周りは、たくさんの人が行き来してたんですけど、誰も声を掛けず、チラッと見て通り過ぎて行きますねん。
 「きっと、誰かが声を掛けはるやろ」と、(私も含めて)皆、思ったんでしょうねぇ。
 でも、やっぱり心配になって、それから声を掛けに行きましてんけどな・・。
 ・・・私、それから考えましてん。
 おそらく、あの駅前で、周りに人が誰も居なかったら、誰もが皆すぐに、あのしゃがんではる人に声を掛けに行ったんと違うやろかと。・・山登りの途中のように。
 しかし、たくさんの人がおったからこそ、逆に皆が「私がしなくても誰かがする」と思って、(見識が曇り)無関心になって、〔取り返しがつかんかもしれん(悪い)判断〕をしてしまうのと違うやろか?・・それって、皆が、見識者であるがゆえに犯してしまう〔悪〕ではないやろかって、思ったんです。
 お住っさん、現代人って皆〔見識者〕なのに、〔無関心者〕なんですよね。・・それで、社会が悪くなってきてるのと違いまっしゃろか?・・・』と、言われた。

 日頃、悪人とか善人とか、気軽に言っている僕自身が、この話を聞いて、おもわず唸って顔を伏せてしまった。(僕もやはり無関心グループの一員です)
 マザー・テレサがおっしゃられた、『この世で一番の《不幸》は《無関心》である』という言葉を、総代さんの話から思い出したのであった。
 

「ゆうせいデイ・サービス」、再び!

ファイル 530-1.jpg(ゆうせいデイサービス)
 先ほど、富田林市の「ゆうせいデイ・サービス」に、(二回目となる)『お寺の出前』に行って来た。
 昨年は僕がしゃべっているのに、〔ぬり絵〕に夢中になっておられる(おっちゃん)方が多かったので、今年はなんとかそのような方を、こっちに顔を向かせようと〔あの手、この手〕と作戦を練ってやって来た。
ファイル 530-2.jpg
(作戦その1)、仏像変身作戦。〔これは僕が仏像に変身して、仏像の種類やその意味を伝える作戦・・やや成功。〕
(作戦その2)、昔話口調の「紙芝居」作戦。〔オールアドリブで、『まんが日本昔ばなし』口調で、話をゆっくり、じっくり進めてゆく。・・まぁまぁ成功、寝てしまった方有り〕
ファイル 530-3.jpg(嫁おどしの面を被って変身)
(作戦その3)、嫁おどし婆変身作戦。〔紙芝居の世界から、現実世界に『嫁おどし婆』が実際出てくる3D作戦・・大成功、いや恐がらんと、笑いっぱなしのお婆ちゃんが居たので、マイナス十点か?〕
 まぁ、今年はこんなトコやった。(ぬり絵はくい止めたので、良かったとしよう!)

『雅楽の演奏会』inあんり

ファイル 521-1.jpg

 先ほど、「特養老人ホームあんり」で、『雅楽の演奏会』を開かせて頂いた。
 演奏して下さったのは、近隣のお寺の若住職さん達で作る「石川南組寺族青少年会」というネーミングの、若手演奏チームである。
 ・・僕が見るに、苑内のお年寄りの皆さんの雰囲気は、いつもと違って、今日はやけに仰々しく、背筋をピンと伸ばして(まじめなお顔で)聞いておられた。(いつものカラオケ大会の雰囲気とは違ったなぁ)
 これも、雅楽の音色が奏でる〔雅(みやび)〕な雰囲気がそうさせたものだったのか!?・・それはわからないが、古典の名曲だけでなく、『七つの子』などの懐かしい名曲も演奏して下さり、皆さん口ずさんで大満足のご様子であった。
 そう、そして〔演奏会〕が終った時は、皆さん優しいお顔になっておられたようにお見受けした。 よかった、よかった。合掌

沙羅双樹(サラソウジュ)の花の色・・

ファイル 520-1.jpg

 自坊の庭の〔沙羅双樹〕の花が開いた。
 『平家物語』いわく、「沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす・・」。
 インドと日本の〔沙羅双樹〕は種類が違うらしく、日本では(写真)の〔夏つばき〕を〔サラソウジュ〕と呼ぶらしい。
 盛者必衰の理(ことわり)の通り、この美しい花も、夕方には散ってしまう。
 本当に、お釈迦さまが亡くなられた時、このような花がいっせいに咲き、いっせいに散ったのだろうか?・・いや、真実などどうでも良い。
 人間の命には限りがある。
 大切な事は、この〔沙羅〕の花のように、与えられた命を、精一杯、(なるべく美しく)一日を生きることだ!
・・そう思うことにしよう。
・・そうだ!、うちにはまだ、風呂場に資生堂の〔白つばき〕シャンプーがあるじゃないか!安心、安心。
 

岐阜県「浄勝寺」さま、『無縁経法要』の御法縁

ファイル 519-1.jpg(岐阜県揖斐郡「浄勝寺」さま)
 縁というのは、不思議なもの・・。
 昨年の夏、「岐阜別院」でお話をさせて頂いたのがご縁で、その時にお参りに来られていた「浄勝寺」さまの坊守さまから、お声を掛けて頂き、さらに、ご住職さまからも熱烈なラブコール?を頂き、昨日、こちらのお寺の『無縁経法要』様に、紙芝居法話に行かせて頂いた。
ファイル 519-2.jpg(ご門徒の皆様)
 そもそも『無縁経法要』とは何か?
 当然、僕もわからない。・・御住職さまから、説明を頂くと、「この法要は、私たちが(お米を食べる為、)生きる為に、虫たちに犠牲になってもらっている事を、確かめ合う仏事」なのだそうだ。
 そう、御住職の言葉をもう少し付け加えると、「・・食べて、生きてるだけでは人間といえない!阿弥陀仏さまは、仏さまの方から私たちに、祈願しておられるのです。・・そのお心を聞きましょう!」という法要なのだそうだ。(「アンパンマン」の歌のようだ)
 まぁ、そんなわけで、(どんなわけや?)その法要にお招きいただき、主旨はなるべく外さんように、お話させて頂いた。
 名神高速を使って、〔大垣IC〕まで走るのも、久々のドライブで楽しかったし、浄勝寺のご門徒さんや、住職さん、坊守さん、そしてお嬢さんと、楽しくお話でき、又、久々に聞く名古屋弁もここち良かった。(僕の母方の故郷は、愛知県なんだがや)
 浄勝寺の皆様、そして、忘れちゃいけない、犠牲になっていった虫たち、本当に有難うございました。 合掌
ファイル 519-3.jpg
(何やら楽しそうな僕?!・・いったい何をしているのか?・・まったく覚えていない〔笑い〕)

わしらの代用品

 昨日、特養老人ホーム『白寿苑』の月例「法話会」に行って来た。
 僕は、先日からの「腸炎」が長引き、四~五日、水分だけしか取っていなかった為、腹から声が出るかが心配であった。
 それで行く途中に、コンビ二でおにぎりを買って、なんとか、ゆっくり頬張りながら向かった。
 そして、法話会を始める前に、皆さんに「腹下し」の事をお話して、「今日は、紙芝居のセリフが聞こえにくいかもしれませんが、そこんとこご了承くださいね」と言った。
 すると、一人の前列、車椅子の女性が、「住職さん、今日は座ってお話してくださいな」と優しい言葉を掛けてくださった。
 僕は「・・でも、やはり立った方がお話ししやすいので、立ちますわ」と言った。
 そしたら、今度はひとりの男性が「住職さん、わしらの代用品はたくさん居りますけど、住職さんの代用品はありませんので、くれぐれも無理せんように頼みまっせ! これからも、ずっと元気で来てもらわんと、わしらが寂しい。」と言われた。
 僕は「紙芝居法話」をする僧侶の『代用品』が、このような時に、もう一人おればと、つくづく思ったのであった。

「腹下し」と「パンク」と「お葬式」と

 ここ二~三日、ずっとお腹を下している・・。
 原因は不明。
 ・・おそらく、先週食べた「生レバー」か、スーパーで買った期限ギリギリ大安売りの「さしみ」か、どちらかだとは思うのだが・・?まぁ、そんな事より早く元気になりたい。
 今日も願わくば、ベットで横になっていたいのだが、こういう日に限って、お葬式が入る。
 水気が無くなり、タコのようなへにゃへにゃの身体になった僕は、なんとか葬儀場まで、車で向おうとしたのだが、50メートルも走ると、前を走るバキュームカーのおっちゃんから、「兄ちゃん、前のタイヤパンクしてるで!・・一度、家に帰った方がエエで。」と、大声で(ご親切に)教えて頂いた。
 有難い忠告であった。・・が、悪いことは重なるものだと思った。
 それで、急いで家に帰り、妻の車を借りて、再びよろよろと車を走らせ、葬儀場へ向かった。(時間に間に合ったが・・)
 力の無い「読経」の声であったかもしれない。
 正露丸の匂いのする声であったかもしれない。
 なぜかお腹ばかりさすっている、変な坊主であったかもしれない。
・・・が、なんとか無事に、お葬式だけは終えた。
 後は、パンクを直しにゆくだけだ。
 さあ、もう一分張り、頑張って修理やさんまで、フラフラと行くぞ!

坊さんハイヤー

 ハイヤー=(意味): 注文に応じて、お客の送迎をする貸切り自動車の事。和製語。

 昨日、或る一軒の御宅で、(一周忌の)ご法事があり、お参りに行って来た。
 その御宅には、小さな(3~10才ぐらいの)子供たち(お孫さん)が、10人ほどお参りに来ていて、読経も一緒にしてくれた。(・・賑やかであった!)
 そして、読経が終ってから、一キロほど離れた霊園に、納骨に行くのだが、その時、僕が〔あいそ〕で出発する前に、子供たちに「それじゃ、おっちゃんの車で、一緒にお墓参りに行く人、手を挙げて!」と言うと、みんな「ハーイ!!」と手を挙げたもんやから、「じゃあ、お一人様、千円です」という、僕の言葉を皆無視して、子供たちは、もうすでに僕の車に向かって走り出していた。
 ・・そんな事を言い出してしまった僕が悪いので、(ご両親の許可を得て、)僕の車は、子供たち専用の貸切ハイヤー状態となり、全部で5~6人乗せて、遠足気分でお墓に向かった。
 運転してたら、後ろや横から、「おっちゃん、そこのガムを頂戴!」とか、「お墓って、お化け居てるの?」とか、「おっちゃん、天国と地獄ってホンマにあるの?」とか、ワイワイガヤガヤ、喧しい喧しい。・・でも面白かった。
 そして雨の中、無事お墓で〔納骨〕の儀式も終って、向こうのご両親が僕に、「もう帰りは、私等の車に、子供たちを乗せますから、住職さんは、どうぞここから、お一人でお帰りになって下さい」と言って下さったのだが、それを聞いた子供たちが「お寺のおっちゃんの車で、帰りたい~」と泣き出した為、僕は又〔あいそ〕笑いをして、子供ハイヤーのOKサインを出した。
 子供たちは、びちょびちょになった靴や草履で、遠慮もせず、上がり込んできて(行きよりも人数が増えていた)、坊さんハイヤーは、檀家さんの御自宅に向かって、賑やかにまた出発し、一日の日程を無事、終えたのであった。

五年目の「楽寿」

ファイル 515-1.jpg
 先ほど、大阪市内の上本町に或る、有料老人ホーム『ケアリビング楽寿』さんへ、「お寺の出前」に行って来た。
 こちらは、今回で五回目。・・一年に一回の「出前」なので、今年で五年目になる。
 すでに、存じているお顔もあるし、初めて見るお顔もある。(当然だ。)
 女性施設長とも、顔馴染みだし、職員さんの何人かは親しくなっている。
 又、入居者(95歳のお婆ちゃん)のご家族さん(娘さん)とも、仲良くなって、必ず、僕が伺う前日には、お寺に(来苑確認の)電話が入る。
 昨日も、僕がお風呂に入っている(ベストなタイミングの)時に、掛かって来た。
 急いで、風呂から上がって、電話に出ると「ご住職~、明日来てくれはんの~。ええっ、今お風呂に入ってはったん?・・という事は、今、すっぽんぽん!・・そうですか。・・それで、ご住職は、三輪そうめん好きですか?・・」と、こんな調子である。(すっぽんぽんである事が解っているなら、早よ、電話切ってくれ!・・とは、よう言わんかった。)
 ・・まぁ、こんな感じなのである。
ファイル 515-2.jpg
 ところで、今回の紙芝居は『走れメロス』をした。
 テーマは『信頼』である。
 紙芝居が終って、僕は、「・・友達を信じる。家族を信じる。介護職員さんを信じる。リハビリの先生を信じる。そして、仏さまを信じる。・・皆さんも、『信じる』って、いったいどういう事なのか?を、今一度、深く考えてみませんか?!」と、言って締めくくろうとしたら、前の男性が、「信ずるものは、救われる!」と、大声で言って下さり、見事な『落ち』をつけて下さったのであった。

加齢臭

 テレビで、『加齢臭』についての話題が流れていた。
 僕は、横でパクパクご飯を食べてる妻に、「僕って『加齢臭』するか?」と、聞いた。
 すると妻は、「ううん、せえへんよ。・・どっちかというと、いつも『お線香』の匂いがしてる。・・『線香臭』やね」と、言いよる。
 その答えに、素直に喜べぬ僕であった・・。 
 ナムアミダブツ、合掌

上に戻る