住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『ワカタケルとワカクサカ』(その3)

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・・ワカタケル大王(オオキミ)が倭の国(現・日本)を統一に向わせた、ちょうどその頃の事です。
 海の向こうの外国(現・朝鮮半島)から、難しい交渉があり、さすがの暴れん坊大王の[ワカタケル]さまも慎重に(日本の舵取りを)お考えになる日々が続いておりました。
 そのような時、大王は私に「おい、ワカクサカ。この倭の国の為に神に祈ってくれ。」とよく言われました。
 そう、私(ワカクサカ)は、神々に対しての巫女(みこ=シャーマン)のような役目もしていたのです。
 日頃乱暴者の大王も、この国の運命が掛かるような大事な時は、真剣に神々にお祈りをしておりました。
 そして、外国との危機を脱する事が出来た大王は、宋の国(現・中国)から信頼を得て、倭の国(日本)で初めての[大将軍]という称号を頂かれたのでした。
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 そういわば、こんな事(エピソード)もありました。
 ある儀式が終わった時、ワカタケル大王は「儀式は終わった!誰か酒を持て!」と言われました。
 すると、一人のお付きの女性が持ってきて、お酒を注ごうとしたのですが、その時1枚の葉っぱが落ちて来て、お酒と一緒に入ってしまったのです。
 それを見た(瞬間湯沸かし器の)大王は、「きさま、わしに葉っぱを飲めというのか!」と、剣を抜いて切り殺そうとすると・・、
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 凍り付いたその場で私が止めようとすると・・、
 そのお付きの女性は「大王、待ってください!わざと葉を入れたのではございません。・・しかし、しくじりをした私を成敗する前に、私の舞と歌をご覧になってからお斬り下さい。」と言いました。
 そしてその場でその女性は、自分の失敗を笑いに変えたみんなを和ます歌と舞を即興で披露したのです。
 それを見た大王は「わっはっはっは、見事な歌と舞じゃ許す!」と言われたのです。
 乱暴で恐ろしい大王でしたが、たいへん歌や舞など(芸)はお好きで、ご自分でもよく歌を作られました。
 ※のち『万葉集(まんようしゅう)』という、歌を集めた書物にも、ワカタケル大王(のちの雄略天皇)の歌が最初に出てきます。つづく

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