住職のつぼやき[管理用]

記事一覧

※画像をクリックすると拡大されます。

極楽の色と天国の色 ~イタリア青年の質問~

 先月『特養老人ホーム:白寿苑』にゲストで来てくれた、イタリア青年〔アンドリア〕君が、昨日、そのホームスティ提供家族『松葉さん一家』と一緒に、うちのお寺に遊びに来てくれた。
 お寺内を簡単にグルッと案内したのち、アンドレア君は(初めての〔お汁粉〕をすすりながら、)たどたどしい日本語で僕に質問した。
「どうして、日本の仏壇や本堂内(内陣)は、金ピカなのですか?」と。
 僕は「全部の仏壇がそうではないけれど、仏様のおられる『極楽浄土の世界』が光り輝いていると『お経』に書かれてあるので、このようなゴールドなのだと思うよ」と、不確かな英単語(ルー大柴のような)を入れながら説明した。
 「フーン」と言ったのち、彼は「仏教の天国(極楽)は、ゴールドなのですね。イタリアでは〔ゴールド〕は『マネー』を意味します。・・イタリアの天国は〔ホワイト〕(太陽の光のような!)で表します。」と付け加えた。
 「それじゃ、地獄は何色で表すの?」と聞くと、彼は『レッド』(すべてを焼き尽くす意味で、)と言った。
 そして、「では仏教の地獄は何色ですか?」とまだ続けてくるので、「おそらく『ブラック』しかもダークな奴やな・・」と答えた。
 色の『あの世』観は、やはり東洋と西洋では、違うのだと改めて思いしった後、ついでに僕が作った「ダンテ」の『神曲』という紙芝居を(本場の国の)彼に見てもらった。
 彼はそれを見て「・・そのお話は皆知っています。イタリアでは『ダンテ』は超有名人です。高校の教科書で必ず出てきて習います」と言った。
 僕は「それは宗教の授業で習うの?」と聞くと、「違います。文学(一種の空想小説)としてです」と言った。
 ついでと言ったらなんだが、僕は「その『神曲』の(あの世の)世界を皆信じているの?」と聞いたら、彼は「おそらく、ほとんどの人が信じてないと思います」と答えた。
 それは『東洋』と『西洋』も現代では『トゥギャァザー』つまり皆同じなんやな・・と、(これも)改めて思った。
 

上に戻る