
しかし、ウラたちは逃げも隠れもしなかった。
又、降参もせず、一通の手紙を桃太郎の元によこした。‥中身はこう書いてあった。
『わし等は、何も悪いことはしておらん。
なぜ、出て行かねばならん。
なぜ、降伏せねばならん。
むちゃを言うなら、わし等は戦うぞ!
かかって来いやー。侵略者ども!』と。
桃太郎はこれを読み、「我々を侵略者呼ばわりする気か!バカな!皆の者、ウラたちへ攻めかかれー!』と、ブチ切れた。
戦争は始まった。
この戦い、砦に籠るウラ達は予想外に強く、決着は中々つかなかった。
そこで桃太郎は、得意の弓矢を2本放った。
その一本はウラに真っ二つに切られたが、残りの一本がウラの片目に命中した。
「ぐわぁー!」とウラは倒れた。するとたちまちウラ軍は総崩れになった。
こうして、ウラ兵は次から次へと倒れていった。
やがてウラ達は力尽き、みんな捕らわれ、首を刎ねられ、晒された。
その後、後に残った砦から、ウラたちと結婚していた妻達が助け出された。
‥が妻たちは、桃太郎に感謝せず、反対に夫を殺した侵略者として、恨み言を言った。
「ウラは賢く優しかった。勇敢であった‥。我々に、便利な畑仕事の道具をたくさん作ってくれて楽をさせてくれた。‥お前たちはなんと殺した上に、首を晒すとは恨めしい!鬼とはお前たちのことだ!」と泣き叫んだ。
この言葉に桃太郎たちは呆然とした。
‥が、これでショックなことは終わりではなかった。つづく
(吉備津神社)
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紙芝居『新・桃太郎の伝説』(その4)
紙芝居『新・桃太郎の伝説』(その3)

「鬼と呼ばれた[ウラ]達は、こちらに住み続け、最初はおとなしくしておりました。
‥がその内、我々と仲良くしたいと言い出して、自分たちの便利な道具を分けてくれるようになり、そこから交流が始まりました。
やがて、わし等の娘たちと仲良くなる者もあらわれ、結婚する者も出て来ました。
それで、わし等はだんだんと疑わしくなって、「あやつ等、わしらの土地をすべて奪うつもりかもしれん⁈」と、帝(ミカド)に訴え出たのでございます。」と村長は言った。
桃太郎は「うーん、奴らは鬼では無かったのか!‥しかし、都から『鬼退治』と大軍勢を連れて来た手前、どうしたものか?」とつぶやいた。
そこで皆は一度、会議をする事にした。
「さて、皆の者。この鬼達‥いや、ウラたちをどうしたものか?それぞれの意見を述べよ。」と桃太郎は言った。
お猿のような家来がまず口を開いた。
「大将、奴らは頭の良い民族です。このまま放っておくと、きっといつか大軍勢になって、我々を攻めて来るでしょう。今の内なら攻め滅ぼせます!ウッキキー!」と言った。
それに対して、犬のような家来が、
「いやいや、それでは多くの血が流れますだワン。穏便に話し合い、われわれの家来になってもらいましょう!‥話せば分かるワン!」と言った。(余談ながら、この家来の犬飼が、のち五一五事件で亡くなる犬養毅首相の先祖です。)
そして雉のような家来は、
「我々のこの大軍を見れば、きっと奴らは、怖がって逃げ去るでしょう。大丈夫ですよ。キッキッキッキー」と言った。つづく
(吉備津神社)
