住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「恵信尼様の夢」(後編)

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それは我が夫、親鸞様ではありませんか!ほんと、びっくりポン!でございます。(ちょっと古い)
その時、空から威厳あるお声が、どなたか分かりませんが聞こえて来ました。
『そう、この観音菩薩はそなたの夫、親鸞じゃ。そなたの夫こそが観音菩薩の化身なのじゃ!』と。
私は身体が震えました。
そして、そこで夢は覚めました。
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そこで次の日、私は早速、その夢の話を夫に話しました。
勢至菩薩様の化身が、法然様であったことを。
夫は興奮して、「おおっ、それは正夢じゃ!‥法然様こそ、誠に菩薩様の化身のようなお方であった。」と涙ぐんでおられました。
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‥が私は、夫親鸞様も菩薩様の化身であったとは言えませんでした。
きっと夫は、否定すると思いましたので‥、ホッホッホッ(笑声)。
そして、この夢の話はずっと私の胸の奥に閉まっておく事にしたのです。
そう、この夢の話は後年、娘にだけ手紙でそっと知らせたのでございます。
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これは、ただの夢のお話。
しかし、この夢があって、私は改めて夫は聖なるお方(聖者)だと信じたのでございます。
 そして、私は仏様に寄り添うように、夫について行こうと思ったのです。
‥これから、どのような形になれど、私と夫親鸞とは、永遠に一緒でございます。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。おしまい

(終わりに) この紙芝居の題材となりました『恵信尼消息』というお手紙は、大正10年に西本願寺の、お蔵の中から発見されたものです。
 この発見により、恵信尼様は実在するお方だと改めて分かったといわれています。知らんけど。いやほんま。

紙芝居:「恵信尼様の夢」(前編)

恵信尼さまの夢 〜『恵信尼消息』より
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「私は恵信尼(えしんに)と申します。
はい、親鸞聖人の妻でございます。
えっ、自分の夫を『聖者の人』と呼ぶのはおかしいと?ホッホッホッ‥。それもそうですね。しかしながら、私は我が夫を観音様の化身だと思っていたのですよ。
だから、こう呼ばせて頂きたいのです。
それでは、今日はその訳をお話しさせて頂きましょう。‥それは私達夫婦が、関東(今の茨城県)に居た時の事でした。はじまり、はじまり〜。
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私はある晩、不思議な夢を見たのです。
それはこんな夢でした。
場所はどこかは分かりません。‥夢ですから。
くらやみの中、私は一人立って居ました。
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その目の前に、立派なお堂が見えました。
正面には大きな鳥居らしきものが立って居ました。
その鳥居の横木の所に、仏様の絵が二体掛かっていました。
よく見ると、それはお二人共、光輝く菩薩様でした。
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その一体の菩薩様は『勢至(せいし)菩薩』様でした。
そのお身体は光輝き、お顔はどなたかに似ておられるな?と思っていたら‥!そう、このお方は夫親鸞さまの師匠、『法然(ほうねん)様』にそっくりなのです。
‥そして、もうご一体のお方は、なんと?!
 後編につづく
 

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