住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『ダルマ大師』(その4)

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武帝は、ダルマに向かって話し始めました。
(武帝)「おっほん。・・ダルマよ、わしは武帝じゃ。さて、わしはこの国で大変、仏教を大事にしてきた。・・いくつもの大寺院を建てた。坊さんたちの世話もした。又、わし自身、写経も多くした。」
(ダルマ)「・・・」
(武帝)「さて、ダルマよ。・・このわしに、どれぐらいの仏の[功徳(=ご利益)]があるじゃろうのう?」
 するとダルマは・・、
「皇帝、功徳などありませんよ。」と言った。
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(武帝)「何!!功徳は無いだと?どういう事じゃ?」
(ダルマ)「皇帝、それは自己満足というものです。」
(武帝)「む、む、む、・・では、本当の[功徳]とはどういうものなのじゃ⁈」
(ダルマ)「見返りを求めず、ただ善いと思う事を行う。それが結果的に[功徳]になるのです。・・皇帝の行なわれた事は善い事です。・・が、見返りを求める心がお有りのような気がいたします。それでは、仏の功徳は手に入りませんよ。
 ・・話しは変わりますが、そもそも、皇帝にはたくさんの功徳があるからこそ、たくさんの善を成す事が出来たのではないですか?それ以上、何の功徳が必要なのですか?功徳を求める行いは[欲]というものです。貴方様は仏教というものをわかっておられない。」
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(武帝)「む、む、む、偉そうに!そういうお前は何様じゃ!」
(ダルマ)「さあね。知らんよ。」
(武帝)「自分が誰かも知らんだと?!こいつ、話しにならん。さっさと帰れ!」
 そして、武帝は怒りまくり、奥に引っ込んでしまいました。
(余談ながら、実際このような会話はあるんやなぁ・・。僕はダルマみたいには、よう言わんけど。)
このように、武帝とダルマの問答は見事に決裂したのでした。・・知らんけど。つづく
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(しろあと歴史館所蔵)

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