住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「妙好人 六連島のお軽さん」(その5)

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「幸七の(浮気のことは)おかるにとって、かえって良かったのだ」と、ご住職は言いました。
 おかるさんは、怒って言い返しました。
「人がこんなに苦しんでいるのに、『良かった』とは何ごとですか⁉」
 すると、ご住職は「おかるや。こんなことが無ければ、あんたは仏法を聞くような人でなかった。・・だから、良かったのだ。」と言われました。
 おかるは、それを聞いて腹を立てて帰りました。
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 が、しかし、家に帰って一人で考えました。
 そして、やがてご住職の言葉の深い意味に気づくのでした。
 それからです。
 おかるさんの熱心なお寺参りが始まるのは・・。

『きのう聞くのも 今日また聞くも ぜひに来いとの およびごえ』by(おかる)
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 西教寺はもちろん、北九州や下関に、立派なお坊さんが来られて、お説教が聴けると聞いたなら、嵐の日でも、一人舟をこいで聴聞に向かうのでした。
 それは、どうしても仏法によって、自分の心の苦しみを解決したかったからです。
 この時のおかるさんの心境を詠った詩です。
『(仏様のお救いの声を)こうも聞こえにゃ、聞かぬがましよ 聞かにゃ苦労はすまいもの
 聞かにゃ苦労はすまいといえど、聞かにゃおちるし、聞きゃ苦労。』
 この時、おかるさんは、35歳になっておりました。つづく

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