住職のつぼやき[管理用]

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行基菩薩と物種吉兵衛さん

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(行基菩薩像)
 昨日、堺市西区にある[行基(ぎょうき)菩薩]生誕地『家原(えばら)寺』と、そこから歩いて30分ぐらいにある『妙好人 物種吉兵衛(ものだねきちべえ)]さんの(浄土真宗本願寺派[元立寺]様境内にある)お墓参りに行って来た。
 ・・もちろん、紙芝居制作の為の取材である。
 この二人、僕は堺が生んだ、二大超宗教人だと思っている。
 堺市西区へは、うちのお寺から車で約40分で行けるが、健脚の吉兵衛さんを偲んで、電車と徒歩で行って来た。(でも、暑さと疲労で足が吊りそうになりました。)
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(家原寺)
 おのずと知れた[行基]さま。
 あの奈良の大仏を作られた方だ。・・いや総指揮をされた方だ。
 この方は、僧侶としても、とてつもなく(知的に)凄いが、人間としての優しさ、そして行動力に僕は惹かれる。
 正に、『陽明学』でいう[知行合一]の御方だ。
 この方は、絶対に紙芝居にしたいと考えているが、あまりに凄すぎて、人生のどの部分を切り取って紙芝居にしたら良いか?今だに悩んでいる・・。
 その気持ちに整理をつける為、そしてインスピレーションをもらおうとお参りして来た。
・・でも、結果として、本堂の回りに貼ってある受験生たちの[ご祈願ハンカチ]が多く、(ここは受験生たちの祈願寺なのだ)あまり、行基さんの雰囲気に出遇えた気はしなかったなぁ・・。
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(物種吉兵衛さんのお墓)
 それより、やっぱり惹かれるのが『物種吉兵衛』さんだ。
 もちろん、知名度では『行基』さまとは比べものにならないが、明治時代の『生き仏』吉兵衛さんは、やっぱ魅力的だ。
 ただの市井の御隠居さんではないのだ。(お百姓さんの家に生まれ、晩年は魚屋さんをされた方だ。)
 でも、僕は今までになかった[妙好人]としての魅力を感じている。
 おそらく、[悟り]といって良いものなのか?解らないが、市井の人でこれだけの人が居たのかと驚いている。(仏道聴聞の為、財産をすべて使われたのだ。)
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(吉兵衛さんのお写真:『妙好人 物種吉兵衛語録』より)
 ・・時間が無くなってしまった。
 『物種吉兵衛』さんについては、いずれ改めて書きたいと思う。
 昨日は、取り敢えず、吉兵衛さんのお墓参りをして、「紙芝居にどうかさせて下さい」と、お願いして来たのであった。
 吉兵衛さんに「そんなん、作ってんと、もっと聴聞して、自分自身の仏心を深めなはれ!」と叱られたような気がした。・・けど、作りまっせ!

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