初盆の初日、お葬式があった。
僕は『法名(戒名)』を頼まれたので、お寺に帰って[白木の位牌]に、仏様の御名前を考え、墨で書いていたら、一匹の手のひらぐらいの黒い蝶が部屋に入って来た。
初めは、ほっとけばその内出て行くだろうと思い、無視していたが、一向に出て行かない。
しかも、近づいて来て、僕の真上で止まっている。
僕は、電気を消せば出て行くだろうと思い、消したのだが一向に逃げず、白い位牌の真上で休んでいる。
僕も、さすがに気になり出して、スマホで写真を撮り(笑)、「仏様のお使いですか?」と声を掛けるが、返事はなく羽をゆっくり動かしている。
そのうち僕が法名を書き終えたら、この黒蝶はゆっくり外へ出て行った。
あれは、黒アゲハか?と思って、スマホで調べていたら『昔の地方に伝わる仏教伝承では、お盆中に見る黒い蝶は、故人が蝶に乗って挨拶に来たものと言い伝わり大切にした。』と書いてあるのを見つけた。しかも、キリスト教では、黒蝶は「復活」を表わすと書いてあった。
偶然と言えば偶然の事であったのだが、お葬式の後、泣き疲れた遺族さんにその話しをしたら、「偶然でも、そのお話嬉しいです。お父さん、よく最後まで病の中、頑張ってくれたもんな!」と言って喜んでくださった。
今年のお盆の不思議な話でした。
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