驚き、立ち止まった永観さま。
その姿に気が付かれた『阿弥陀』さまは、すっと首を左にひねって、こちらを向き、そして、こうおっしゃったのでした。
「永観、遅し!」と。
その感激で、永観さまは涙を流しながら、又、行道を始められました。
そして、いつしか夜は明けて、阿弥陀様は元の壇に戻ってゆかれました。
しかし・・、
壇に戻られた『阿弥陀』さまのお首は、この日以来、(ムチ打ちのように〔いかん、最後にボケをかましてもろた!〕)左に曲げられたまま、もう二度と、元のお姿には戻りませんでした。
その後、永観さまは、この日の体験から、さらに熱心にこの〔阿弥陀〕さまを拝み続けられ、又、民衆救済に、力を注がれたということです。
そして今も、この阿弥陀様は、『見返り美人』ではなく、『見返り阿弥陀』というお名前で、禅林寺永観堂で、お祀りされておられるのです。
おしまい
(本物)
[管理用]
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紙芝居:「永観、遅し!」(後編)
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