お寺の出前をやっていると、どうしても法務(お寺の仕事)と重なる突然の事態が起こってくる。
昨日もそんな日であった。
堺市にある「堺市立南老人センター」での出前法話を以前から頼まれていたのだが、その前日にうちの檀家さんがお亡くなりなり、出前と葬式の日が重なったのだ。
その時間帯だけが、微妙にずれた為に、どちらも行けるだろうと僕はふんだ。
つまり〔お葬式〕が、富田林の「葬儀会館」で午後12時から1時まであり、1時半から2時半までが「堺市の老人センター」で〔出前法話〕の時間と決まっていた為、(30分で車を飛ばせば)何とか間に合うと思ったのだ。
だが、お葬式終了後、斎場(焼き場)まで同行せねばならない仕事がある。すると、どうしても終りが1時半になり、出前法話が間に合わない。
そこでお葬式終了後、娘とバトンタッチして、斎場までの同行は頼んだ。
檀家さんにも葬儀社の方にも、そこはお頼みして了承してもらった。(娘は、霊柩車に同乗して斎場まで行くという仕事を、気持ちよくやってくれた。感謝である。)
それで僕は、お葬式終了後、カーナビを頼りに急いで車を走らせ、目的地の「南老人センター」にギリギリ到着することが出来た。
(堺市立南老人センター)
会場は、すでに多くの皆さんが待っておられ、僧侶姿で息をきらせて突入して来た僕を、拍手で歓迎して下さった。
僕は「皆さん、すんません。今日、お葬式ありましてん・・」と言い訳しながら、紙芝居の準備をしてお話に入った。
終ったら、会場の御一方から「院主さん、忙しいのにすんませんでしたなぁ。でも、今日の話を聞かせてもらって、後10年は長生きできるような気がしましたわ」とおっしゃってくださった。
僕は「今日、お葬式した93才の方と同じぐらい、長生きしてくださいや」と片づけながらお話した。
でも、僕はその話に感動してる余裕がなかった。・・会の終了後、すぐにこんどは〔初七日法要〕をする為に、又、富田林の葬儀会館まで引き返さねばならなかったからだ。
僕の気持ちは、この時すでに「葬儀会館」に向かっていたのだった。
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非公開 2012年02月29日(水)21時19分 編集・削除
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