住職のつぼやき[管理用]

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甦ってくる〔記憶〕!

 先日の、〔特養老人ホームあんり〕での『お話会』でのこと。
 この日、僕は苑内フロアーで、『地獄のはなし』という紙芝居をした。

 その紙芝居の中で、一体の〔お地蔵さま〕が登場する場面がある。
 それを見られた一人の(おそらく認知症の)お婆ちゃんが、僕に言われた。

 「・・こんな話するのは初めてやけど、私は小さい時、体が弱かったんです。それで、お地蔵さんを一体作ってもろたら、この94歳まで元気でおれたんです。ありがたいことです。」と云われた。
 それを聞いて僕も、「へぇー、それは良かったですね」と答えた。

 しばらくすると、このお婆ちゃんが、もう一度、
 「・・こんな話するのは初めてやけど、私は小さい時、体が弱かったんです。それで、(父親が、○○という拝み屋さんの所へ行って、『お地蔵さんを作れ』という神様からのお告げを聞いて)それで、お地蔵さんを一体作ってもろたら、この94歳まで元気でおれたんです。ありがたいことです。」と、ちょっと話を付け加えられ、お話された。
 僕も「へぇー、それは良かったですね。(ありがたいことですね)」とちょっと付け加えて答えた。
 その時、おやつが出て来て、一緒に食べ始めると、先ほどのお婆ちゃんが、
「・・こんな話するのは初めてやけど、私は小さい時、体が弱かったんです。それで父親が、○○という拝み屋さんの所へ行って、『お地蔵さんを一体作れ』という神様からのお告げを聞いて、それで(○○地蔵という名の)お地蔵さんを一体(玉造(地名か?)の実家の庭に)作ってもろたら、(いつも近所の子ども達が、たくさん集まって来てくれて、そのお地蔵さんを大切にしてくれたんですよ。)それで、この94歳まで元気でおれたんです。ありがたいことです。」と、さらに話が付け加えられ、だんだんと詳しくなってゆく。
 僕も「へぇー、それは良かったですね。ありがたいことです。(不思議な話ですね)」と付け加えて答えた。
 そして、おやつも終わり、お皿が片付けられひと段落した頃、先ほどのお婆ちゃんが、
「・・こんな話をするのは初めてやけど・・、」と、さらに詳しく内容はさらに鮮明になり増えていった。(いつまでも終われないので、この辺でやめとくが・・、〔笑い〕)
 僕は思った。『喋れば喋るほど、記憶って甦って来るのかもしれん!・・じっくり話を聞いてあげることは、絶対、脳に良いなのだ!』と。
 そして、これからも『初めてする』と主張する話を、何度も『初めて聞きますわ!』という風に驚き、時間の許す限り、エンドレスで聞かせてもらい、楽しい時間を共有するぞと誓ったのであった。
 本来、僕はこうゆうのが好きなんです!

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