〔緒方洪庵〕は、今の岡山県〔足守〕という所で生れました。
父は〔藩〕の仕事をする武士でした。
(洪庵)「父上、私は医者になりたいと思います!」
十二歳の時、突然〔洪庵〕は、父親に言いました。
しかし、父は嫌な顔をしました。
(父)「武士の子は、どこまでも武士であるべきだ!!」
父は〔洪庵〕を立派な武士にしたかったのです。
・・では、なぜ〔洪庵〕は、それほどまで〔医者〕に成りたかったのでしょうか?
それは・・、
〔洪庵〕が子供の時、岡山の地で、《コレラ》という病気が凄まじい勢いで流行しました。
人が嘘のように、ころころ死んだのです。
〔洪庵〕を可愛がってくれた隣の家族も、たった四つ日間の間に、みんな死んでしまいました。
又、当時の《漢方医術》では、これを防ぐ事も治療する事も出来ませんでした。
(洪庵)「私は医者になって、是非人を救いたい。そして出来るなら、漢方ではなく、オランダの医術《蘭方》を学びたい!」
〔洪庵〕は人の死を見ながら、こう決心したのでした。 つづく
[管理用]
記事一覧
※画像をクリックすると拡大されます。