住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:「唯円房の歎き~『歎異抄』かく語りき~」 その3

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(唯円)「私の心に深く刻まれているものとして、お聖人の次のような言葉がございます・・・。
 『〔善人〕でさえも極楽浄土へ往生できる。・・だから、〔悪人〕ならば往生は間違いなし!』と・・。
 そして、お聖人は続けておっしゃいました。 
・・唯円よ、そなたはこう聞くと、『それは逆さまだろう! 悪人であっても往生するのだから、善人ならば、当然、往生できるはずだ!』と思うだろう。
 ・・しかしな、それは一件筋が通っているように思えるが、〔阿弥陀〕様の『《他力》にすがれ!』という、《願い》と《教え》には矛盾するものなのだよ。
 阿弥陀様は、どうしようもない(このブログの作者のような)煩悩まみれの〔悪人〕である私達を哀れに思い、『仏にして救ってやろう!』と《願い》を起こされたのだ。
・・この願いを、今仮に《本願》と呼ぼう!
 だから、この《本願》にお任せする〔悪人〕こそが、一番初めに〔極楽浄土〕へ往生できるのだ。」
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「・・反対に、自らの力(パワー)で、善い事をしようとする〔善人〕は、阿弥陀様の《お力》に頼ろうとはしない・・。
 つまり、阿弥陀様の《本願》に、かなっていない人なのだ。
 ・・が、そのような〔善人〕でも、心を改め、阿弥陀様の《本願》にお任せするなら、〔極楽浄土〕へまっすぐ往けるのだ!
 だから私は、『善人でさえも、極楽浄土へ往生できる。・・ましてや悪人ならば、当然、往生間違いなし!』と言ったのじゃ。
 
 ・・・が、しかし〔唯円〕よ、『悪人ならば〔極楽〕へ往けるのだから、進んで悪い事をしよう!』となんて、幼稚な事は思うてくれるなよ・・。
 よく利く《薬》があるというて、進んで《毒》は飲まないだろう・・。」と、こうお聖人はおっしゃいました。
 つづく

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