住職のつぼやき[管理用]

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癖(くせ)と口ぐせ

 昨日行かせてもらった『オルゴールの会』の代表からお聴きした「それって良いかもしれない!」と思ったお話を今日は述べたい。
 それは或る老人施設での事で、・・その老男性は認知症で部屋や廊下のあちこちで《オシッコ》をして、周りを困らせていたらしい。早い話が悪い〔癖〕を持っておられたのだ。職員がいくら注意をしても聞かなくて困っていたその時、職員の一人がピカッと閃いた。それは部屋や廊下の下に神社の鳥居の絵を書いてはどうかと・・。(そういえば昔、学校の壁などによく[ここにオシッコするな!]という字と一緒にこの鳥居の絵が描いてあったよね。・・覚えてますか?)
 そして早速実行・・。このおじいさん、この絵が書かれた後、ピタッと立ちションを部屋や廊下でしなくなったらしい。認知症でも子供の頃の記憶って消えないのだろうか?それはわからんけど・・。面白いよね。良いお話を聞かせていただいたと感動した。めでたし、めでたし・・。(ただこれは女性には通用するかなぁ?・・)
 ・・もうひとつ、これは先日或る老人ホームであった僕の体験談。
 苑内でその日の《お話会》が始まる前に、ひとりの入居者のおばあさんが「あ~っ忙し、あ~っ忙し・・」と言って会場に来られた。その方ひとりポツンと座って待っておられるが、皆なかなか揃われない。それで遂に我慢できずにポツリ、「この忙しいのにいつまで待たすのや。話もさっさと終わってや」と言われた。僕は「すんません。今日の仏さんの話、ちゃっちゃと(こんな事言って良いかはわからんが?)やって終わりますからもうちょっと待ってくださいね」と慰めた。が、やはり我慢できず立ち上がり、「もう忙しいねんから・・」と怒って部屋に帰られた。数分後、「もう忙しいわー」と言って又やって来られた。僕がそれで「もう用事終わりましたか?」言ったら無視して、又「もう忙しいねんから早くしてや」言って座られた。このような事が、会が始まるまで2~3回あった。
 後で職員さんが僕に、「何某さん、認知症がすすんでこられました。別に何も用事ないんですよ、あの方・・。気を悪くせんといて下さいね。あの人の〔口癖〕ですから・・」と言われた。
 きっとこの女性、若い頃忙しく働きすぎたのか・・。それはわからんが・・僕は改めて思った。〔人の口癖って一生直らないのだろうか・・?そして癖はどうなのか?〕と。
 僕も気をつけなあかんな、・・と思った出来事でした。

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