住職のつぼやき[管理用]

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お葬式とラブホテル

特養『白寿苑』は、毎月僕が「法話会」で行かせてもらっている老人ホームです。
この苑では身寄りのない方や特別な事情のある方に限って、《お葬式》を施設関係者(ボランティアも含めて)で執り行っています。
そのようなお葬式は平均して年4~5回あり、僕はその都度、読経に呼ばれて参ります。(もちろんボランティアですので、仕事がある時は代わりに誰かに行ってもらいます。又宗派の違いもありますし・・)
 さて、今年もそのようなお葬式が何度かあったのですが、今回は昨年にあった、心に残るお葬式のお話をひとつ致しましょう。
まず、亡くなられた方は行年87歳の女性。この方は旦那さんと夫婦で入所されていたので、喪主はご主人がなさいました。
 式は近くの会館を借り、ご主人と職員2~3名、そして苑内のお友達数名で行いました。そのお通夜の後、僕はご主人から大変印象深いお話をお聴きしました。
それは亡くなられた奥さんの思い出話でした。
 奥さんは早くに《寝たきり》になられたので、何とかお風呂に入れてあげようと、旦那さんはリヤカーに車椅子を乗せて、それを自転車で引っ張り、毎月3回ほど30分以上かけ、入り口とお風呂に段差のないバリアフリーな《ラブホテル》を目指し、(探すのに一苦労?だったそうです。でも、不思議に昔からラブホテルってバリアフリーっぽい処が多かったそうです・・。ベットも大きくゆったり休めて・・、これ以上ここには書けんわ!)そこへ通われたそうです。
 想像してみて下さい・・、すごい光景だと思いませんか。ホテルで出逢った他のカップルはどう思われたでしょうか・・!?
まだ移動巡回入浴車がない頃のお話だそうです。が、やがて疲れ果て、役所に相談に行ったら、ここの施設を紹介されたということです。そんなお話を聴きました。
 旦那さんは一言、「さんざん嫁はんを泣かしてきたから、罪滅ぼしやったんやぁ~・・」と、ぽつり。
 先日、その後一人になった旦那さんのご様子を職員さんにお聞きしましたら、「案外落ちついておられますよ。やるだけやって最後まで奥さんの面倒みれたから、悔いがないのと違いますかねぇ・・、まぁ僕は独身やからよくわからんけど・・」と教えてもらいました。そんなもんなんかなぁ・・。

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