住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居『アポ電サギは突然に!』(その3)

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その直後、水道工事の様な服を着た私服警官達が自宅に到着され、今後の男とのやり取りについて指示されました。
(余談ながら、この話はまるで黒澤明監督の映画『天国と地獄』みたい‥ですね)
午前11時頃、男から「親父、お金は用意できた?」と、確認の電話が入りました。
それで、こちらは「金融機関から300万円出して、それから、[富田林駅]に行く。そしてその弁護士さんにお金を渡せばええねんな。」と約束しました。
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午後1時、男からもう一度「現金できた?」と電話があり、「ああっ」と返事をすると、同時に、「今、弁護士の都合で2時頃に受け取り時間が変わったんや。‥それと、場所も[大阪狭山市駅]前に代えて欲しいんやと。‥駅に着いたら、その近くの公衆電話から○○番号に電話して欲しいんや。弁護士が受け取りに行くから。」と言いました。
私は騙された振りをして、「わかった」と了承しました。
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私は警察から用意された、おもちゃのお札が入った赤い手提げ袋を持って、大阪狭山市駅に行き、その前の公衆電話から、指定された番号に電話しました。
‥が待てど、弁護士は現れません。
それで、再び電話しました。
すると、「その駅近くの○川横の○橋まで移動して欲しい」と言うのです。
私はそこに向かって、その場所で30分程待ちました。
‥がしかし、どうやら犯人は、警察の包囲網を察知したのか、現れませんでした。
ああ、あの日、あの時、あの場所に、ついに犯人は現れなかったのです。
‥こうして、この事件は未完に終わってしまいました。つづく

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