住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『二人の衣通姫(そとおりひめ)』(その4最終回)

『古事記』(後編)
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そして四国の愛媛にて、衣通姫は軽王子と無事再会します。
ここで、ようやく二人は世間の目を気にせず、これからひっそりと暮らしていけると思いました。
・・、がしかし、
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都では、
『流罪となった軽王子が復讐の為、四国の軍隊を率いて、都に攻め登って来る!』との噂が流れておりました。
それを恐れた弟の安穂の王子は、都の軍隊を引き連れて、四国へ向かって攻める準備をしていました。
 この噂を聞いた軽王子は自決を決意しました。
「私がこの地で生きている限り、戦争が起こり、多くの人たちに迷惑が掛かるだろう。
だから私は自決する事にする。その方が良いのじゃ・・。衣通姫、そなたはどうする?」と言うと、
「私は貴方がいなければ、生きてゆけません。私もお供いたします。」と言いました。
そして二人は自殺しました。
これが、日本史上最初の心中事件といわれています。
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こうして、禁断の愛に生きた衣通姫と軽王子は、悲劇的な終わりを告げました。
現在、愛媛県松山市の『軽の神社』には、二人のお墓と思われる石碑が二つ仲良く並んで祀られています。
・・がこれが、王子と姫のものかは、はっきりとはわかっていません。

 さて、この『二人の衣通姫』ですが、どちらの姫も絶世の美女で、どちらも悲劇的で、又どちらも不道徳な雰囲気を醸し出しているように感じます。
ひょっとすると、衣通姫というのほ、世の中が社会的モラルを打破したい願望の代名詞として、世間が名付けた名前であったのではないのでしょうか?・・・知らんけど。 おしまい

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