住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『二人の衣通姫(そとおりひめ)』(その2)

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「日本書紀」(後編)
しかし、その秘密はやがて、皇后の知るところとなりました。
「ちょっと狩りに行って来る。」と言って、允恭天皇はこの日も出掛けようとすると、皇后が、
「・・動物にも、姉と妹があるでしょうに・・、かわいそうな事。」と言いました。
『ばっばっばれている・・』と、真っ青になった天皇は、
「そうだのう。・・これから動物の殺生は止める事にする・・」と言って、出掛けるのをやめました。
「その方が良いでしょうねぇ」と、皇后はキッパリと言い返しました。
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一方、衣通姫は・・、
「今日も、オオキミ(大王)は来ない!」と、茅渟の宮でずっと待ち続けていました。
・・がしかし、天皇が姿を現わすことはもうありませんでした。
そこで、衣通姫は歌を読んで、天皇の元に届けようと思いました。
『とこしえに、君もあへやも いさな取り、海の浜藻(はまも)の 寄る時々を』
(意味)
「海の浜藻が、岸辺に漂うように、たまにしかあなたは私に会ってくれません。寂しいですわ。」という意味でしょう。
しかしこの歌は、天皇の元には届いたのですが、皇后に知られたらいけないという配慮から、『見なかった事にしょう』とされたようです。
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そしてこの歌は、現在、泉佐野市上之郷『茅渟の宮跡』とされる、伝承地の石碑に彫られ祀られています。
そして、毎年春に宮跡を守る地域の人々によって、姫をしのぶまつりが行なわれているという事です。

これが『日本書紀』に登場した[衣通姫]の伝説です。

では、次に『古事記』の衣通姫のお話しをしましょう。つづく

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