住職のつぼやき

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紙芝居:『決め手はワクチン!めっちゃ医者 笠原良策先生』(その5)

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「この牛痘さえすれば、一生[疱瘡(天然痘)]にならんでええんじゃぞ!」
 と、良策は福井の町中を回って宣伝し続けた。
がしかし・・.
「牛の膿(うみ)を身体に擦り込んだら、わし等の子供も牛のようにツノがはえて、牛になって死んでしまうべ!」
「あの医者はとんでもない嘘つきだべ!偽医者だ!めっちゃ医者だ!」
と、悪い噂はあっと言う間に広まり、町の人々は良策の姿を見ると石や雪などを投げて追い払った。
 又、役人の武士たちも、それを見て見ぬフリをした。
 そう、福井藩では、良策のワクチン接種運動は完全に空回りしたのであった。
 それに、本来味方であるべき漢方の医者たちも「良策の言うことを信じてはいかんぞ!」と言いふらしたのである。
 良策は自分の全財産を使って、これまで無料でこの(ワクチン)接種をしようと頑張ってきた。
 が、誰もが彼を無視し、今や良策は身も心もずたずたになろうとしていたのである。
(余談になるが、大阪の緒方洪庵は『牛痘法』を嫌がる庶民に対して、お米やお菓子を手渡す事で、ワクチン接種を広めたらしい。さすがナニワのお医者様!(笑)・・商品券や宝くじなどを渡してコロナワクチンを広めようとするどっかの国とよく似ているな‥(苦笑))
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 がしかし、それから半年ほど経ったある日、事態が急変した。
 藩のお役人から呼び出されたのである。
 役人は、「笠原良策、牛痘法はすばらしい天然痘の治療法である事が他藩からのしらせで解った。これから我藩でも、この治療法を全力をあげて推進していきたいと思う。良策、お前は福井藩の先頭に立って励むよう。‥又、理解の無い町医者たちには我々が厳しく処罰するでな。わかったか良策!頼むぞ。」と、申し渡されたのであった。
 良策は泣いた。
 心の中では『理解が無かったのはあなたたちも同じではないか!』と叫びたかったが、皆の命を救うためと怒りをぐっと我慢した。
 そして『これで天然痘から福井藩を救えるぞ!』と涙を流し続けたのであった。 つづく 次回 最終回

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