[武士と白隠さま]
ある日の事です。
彦根藩の織田信茂という名の武士が、白隠さまを訪ねて来ました。
この武士、何か悩みがあるようでした。
「白隠和尚、仏教では[地獄]と[極楽]
があると教えます。
・・では、その地獄というのはどこにあるのでしょうか?
やはり地下にあるのでしょうか?
極楽は空の上ですか?
私はそれを考えると、最近眠れないのです。
どうかお願い致します。和尚、教えて下さい!」
すろと白隠さまは・・、
「さてさて、武士ともあろう者が・・、
地獄、極楽のありかを探しているなんぞ、おぬし、武士は武士でも腰抜け武士じゃろう!?」と白隠さまは言いました。
「何?!無礼な、侮辱したな!あやまれ。たとえ和尚たりとも、容赦はせぬぞ!」と武士は刀に手を掛けると、
「ほぉー、腰抜け武士でも怒るか!?」と、白隠さま。
「えーい!もう許さん!」
つづく
[管理用]
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