住職のつぼやき[管理用]

記事一覧

※画像をクリックすると拡大されます。

紙芝居:『続・白隠さま』(その2)

ファイル 2226-1.jpg
「おーよしよし、わしが育ててあげようのう。」と、白隠さまは赤ん坊を背負い托鉢に出て、お乳などを貰い歩きました。
 この事件で、白隠さまはすっかり信用を無くしてしまいました。
 しかし、白隠さまは何の弁明もせず、赤ん坊と暮らしたのです。
ファイル 2226-2.jpg
 「お父様、ごめんなさい。どうかお許しください。私は嘘をついておりました。
 あの赤ん坊は、白隠さまのお子では無いのです。
 白隠さまのお子と言えば、許してもらえると思っていました。
 ・・なんと私は愚かであったでしょう。
 どうか白隠さまにお詫びして、赤ん坊をお返し頂けるよう頼んではいただけませんでしょうか?!お願い致します。」
と、娘は良心の呵責に耐えきれず、ついに父親に本当のことを話しました。
びっくりしたのは父親です。
「なっなんだって!私はとんでもないことをしてしまった。」
ファイル 2226-3.jpg
「和尚さま、申し訳ございません。私の間違えでした。
 失礼の数々、どうかどうか、お許しください!」と、父親は托鉢途中の白隠さまを見つけて、娘と共に深く謝りました。
 そして赤ん坊を返して貰いました。
「ああ、そうですか。それは良かった良かった。ではその子を大事に育てて下さいよ。」と言って、白隠さまはそれ以上何も言わず、去って行きました。
 その姿に父親と娘は、頭をいつまでも下げて見送ったと言うことです。
 おしまい
 次回は『武士と白隠さま』です。つづく

上に戻る