住職のつぼやき

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〔夫婦の危機〕を脱しての別れ・・・

 先日、ご主人の〔お葬式〕をさせて頂いた《奥さん》のお話・・。
 その〔ご主人〕は、まだ〔還暦〕前の若さでガンで亡くなられた。
 昨日、お参りをさせて頂いた後、その奥さんは僕に「私達夫婦は《危機を脱して》、別れることができました」と言われた。
 「ええっ」と一瞬意味がわからなくて黙っていたら、奥さんはその意味を詳しく説明して下さった。
 一年前までは、元気であったその〔ご主人〕は大変無口な方であり、家庭の中ではほとんど喋らなかったらしい。
 ご飯のオカズを作っても、子供さんに何かがあっても一切喋らなくて、それが嫌でたまらなくなり奥さんは密かに《離婚》の準備を始めていたそうだ。
 ・・が、今年の春に〔ご主人〕の《末期ガン》が発覚。
《離婚計画》は中止となって看病の日々が始まった。
 病院のベットの中でも無口な〔ご主人〕であったが、ある日、「色々とありがとう」と奥さんに合掌されて、微笑まれたそうだ。
「私はもうそれだけで、今までの胸のつかえがスゥーと落ちて無くなり、夫を許すことができました。・・ほんま《ガン》という病気が後一年ずれて進行していたなら、私は確実に離婚して、夫も私も後悔を残したまま悲しい別れをしたと思います」と奥さんは涙ながらに言われた。
 「死別はつらいけど、良いタイミングの病気の発覚だったと思っているのです」と、続けて言われたその奥さんの言葉に、僕の《ガン》に対する考え方が少し変わったような気がした。

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