住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『ダイエットの王様』(その4:最終回)

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それから半年が過ぎました。
 王様はこっそりと、寝室や着替え部屋などで間食をしようとしましたが、そのつど(手ごわい)侍従に見つかって失敗しました。
 今日も今日とて、お城のどこかで侍従の『人は自分の食事の適量を・・』という声が聞こえてきます。

 ・・そしていつしか一年が過ぎようとしていました。
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 今ではすっかりスリムになった王様がおりました。
 身体もすっかり元気になり、もう侍従がお釈迦さまのお言葉を言わなくても、食事の量を自分でコントロールできるようになっていました。
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 そしてハシノク王は長生きされ、その後も、お釈迦様のお説教をたくさん聞かれたということです。
 めでたし、めでたし。・・おしまい

[良い子は読まない方がよい、あとがき]
 この物語は、『雑阿含経』というお経を基にした(オリジナル)紙芝居である。
 この主人公[ハシノク王]は、古代インドの歴史上の人物で[コーサラ国]の王で(プラセーナジット王)とも呼ばれている。又、物語で語られていた通り、お釈迦様の大ファンであったことは確かである。
 この紙芝居ではハッピーエンドにしたが、実はこの王様の最後はハッピーではなかったらしい。
 実はハシノク王は、彼の息子とその晩年、仲が悪くなり、国を追い出されることになったようである。・・そして最後は、その追われた旅の途中に倒れ、哀れな死に至ったといわれている。
・・お釈迦様の教えは、ハシノク王の息子には届かなかったのか⁈ 又、その息子も悲劇的な最後を迎えたと云われている。実際はこのようなリアルな終わり方をした・・と一言付け足しておく。(人間の運命は、仏のお説教では変わらないものなのか⁈・・いや、変わった人達も多くいるに違いない。『お前はどうなんだ?』と仏様に問われているような気がする。)
 又、この紙芝居で出てくる『適量』とはどれぐらいの量なのか⁈紙芝居を作りながらずっと考え続けた。腹八分なのか⁈それとも腹七分か?・・そんなことを考えながら絵を描いていたら、腹が減ったのでおやつを食べ始めたら・・、家内に紙芝居と同じことを言われて責められた。
『住職は自分の食事の適量を知るべし。すれば、苦しみ少なく安らかに日々を送り、長生き出来る』と・・。うちの寺にも侍従がいる。本当におしまい
 

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