住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『ダイエットの王様』(その3)

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さて次の日。
 食事の時間がやって来ました。
 今日もたくさんのご馳走です。
「おっおっ、これは楽しみ楽しみ!」と王様は食べようとすると・・、
 侍従が「王様、ちょっとお待ちを!・・え~おっほん、お釈迦さまはおっしゃいました。
『人は自分の食事の適量を知るべし。すれば苦しみ少なく、安らかに日々を送り、長生き出来る』と。」
「おおっそうじゃった⁉・・ご馳走はこの半分で良いわ。トホホ・・。」と王様はしょんぼりして答えました。
 すると侍従は、「王様、何かお忘れではございませんか⁈」と言いました。
 「あぁそうじゃった。・・侍従、金貨一枚を受け取れ。」
「ありがとうございます!」と侍従はニッコリ。
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 そして次の日も、その又次の日も、侍従は金貨が貰えるものですから、決して忘れる事無く、王様にお釈迦様の言葉を伝え続けました。
 それから三か月後。
 王様はさすがに適量の食事が辛くなってきました。
「のう、侍従よ。たまには満腹になるまで食事を取ってみたいのう。」とつぶやきました。
すると侍従は、「それはなりません!王様。お釈迦様は言われました、『適量の食事は苦しみ少なく、安らかに日々を送る事ができる。』と。
確かに最近の王様は散歩に出られても、ゼェゼェと言われ無くなって来ました。良い事だと思われます。‥それに私も貯金がたまって来ました。・・こりゃ失礼!」。
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しかし、さすがの王様も我慢ができず、ある日、こっそり袋にお肉を詰めて散歩に出ました。
「しめしめ、今日は侍従もついて来ないし、森の中でたっぷりお肉を頂くぞ。」と一人言を言っていると、突然!
『人は自分の食事の適量を知るべし!・・』と森の中の木の上から声がしました。
「その声は侍従!」
「そうです、私です!王様っ」と、木の上から侍従が降りてきました。
「王様、間食はいけませんぞ!こうゆう事もあろうかと、休みを返上して、森の中を見張っておったのです。はい、王様、金貨一枚頂戴いたします。」
「ぬっぬっぬっ、おそるべし、侍従!」つづく

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