住職のつぼやき[管理用]

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紙芝居:『半ごろしと本ごろし』(後編)

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それを聞いておばあさんは、キョトンとした顔をして・・、そして言った。
 「そんなに急ぐなら、この出来立ての『半ごろし』を弁当に持って行きなされや。」と。
 若者は「えっ弁当?・・半ごろし?」
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 若者が驚いた訳を話すと、おじいさんとおばあさんは、笑いながら説明した。
「あっはっはっ、旅の人。『半ごろし』というのは、この[ぼた餅]の事じゃよ。
 この辺りではなぁ、ご飯を半分つぶして、小豆をのせて餅を作るので『半ごろし』というんじゃ。「つぶす」というのを「ころす」と言う方言なのじゃな。
 又、ご飯を全部すりつぶして、餅を作るのは『本ごろし』というんじゃよ。わかったかのぉ・・はっはっはっ。」
 「そっ、そうだったんですか⁈」と若者は恥ずかしいそうに言った。
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 こうして旅の若者は、おいしい『ぼた餅』をいっぱいよばれて、又旅に出たということじゃ。めでたし、めでたし・・いやまだ早い!
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 お彼岸のお供え物といえば、この『ぼた餅』。
 なぜ、そういう名前になったかというと、春に咲く花は『牡丹(ぼたん)』。
 春彼岸には、その牡丹に見立てて丸く作り、仏様にお供えしましょう、というので『ぼたん餅』が『ぼた餅』になったとか。
 そして、秋彼岸は『萩(はぎ)』の花を餅の名に見立てて『おはぎ』になったとか。・・・知らんけど。いやほんと!
 そして、小豆は赤色。それは邪気を払う縁起の良い色という言い伝えから、当時のご馳走であった御餅に小豆を合わせて仏様にお供えするということになったそうです。
 ちなみに、ぼた餅の[本ごろし]は地方によっては[皆ごろし]とも呼ぶそうですよ。・・・おしまい

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