住職のつぼやき[管理用]

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〔裸のつきあい〕の法事

 先日、或る檀家さんの五十回忌の法事があった。
 ・・その以前、施主さんの奥さんから電話で、「この〔五十回忌〕で〔年忌・法要〕を切り上げようと思っているのですが、家でのお勤め〔読経〕の後、バスで〔温泉旅館〕に行き《食事会》を開こうと思っているのですが、お願いできませんか?」と連絡が入った。
 僕の仕事は御家での〔読経〕だけだと思い、「かしこまりました」と返事をしたら、その後「住職さんも、一緒に温泉旅館に行って欲しい」と頼まれ、そしてできるなら「・・温泉にお父さん(83才)と一緒に入ってもらいたいのだが・・」と言われた。
 ・・というのも、そこのご主人はお酒が飲めなくて、宴席ではすぐに退屈され、おそらく、すぐに温泉へと行ってしまわれるであろう。・・が、我家は女兄弟ばかりで男がいない為、お父さんが温泉の中で倒れてはしまわないかと心配なので、それで僕に見張ってて欲しい、という事なのだ。〔笑い〕・・という事を恐縮そうにおっしゃられた。
 「そのような理由があるなら、良うございますよ」とお引き受けし、宴席では、その御主人の横に座り、案の定、すぐに温泉に立って行かれようとされたので、奥さんと目配せし「僕も温泉入らせてもらいます」と言って(人目を気にしながら、坊さんの着物姿で・・〔笑い〕)ついて行き、服を脱がせてあげたり、着せてあげたりして、介護のような(笑い)気持ちで、温泉にご一緒させていただいた。
 そして、湯上り上機嫌のお父さんと、宴席に又帰って来てから、お茶でカンパイして、又、奥さんとの目配せもしっかりして楽しい時間を過ごさせていただいた。
 なんとも気持ちの良い・・が、変わった〔年忌法要〕であった。

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